生痕化石からわかること
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 03:42 UTC 版)
たとえば、恐竜がどのような活動をしていたかについては多くの論がある。かつては大型恐竜は体重を支えるために半水中生活であったとの説があったが、陸上を活発に活動したと判断できる足跡化石の発見は、大きな影響を与えた。 また、生物体の化石は、そこにその生物がいた証拠とは必ずしも見なせない。死んで運ばれてきたものが化石になる場合は珍しくないからである。しかし、生痕化石は、確実にその生物がそこで活動していたことの証拠となる。ただし、現在ではプレートの移動が知られているから、生痕化石の発見場所が過去にもその地点であったとは言い切れない。 また、生痕から当時の環境や地層の性質そのものが判る場合もある。たとえば河岸段丘と考えられていたところで穿孔性の二枚貝の化石が見つかったことで海岸段丘であったことが判明した例、褶曲によって上下関係が不明になっていた地層で、多毛類の棲管が発見されたことで、その出口側が上と判断できた例などを井尻は挙げている。
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