獲得における多様性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/23 04:40 UTC 版)
「日本語話者による英語の/r/と/l/の知覚」の記事における「獲得における多様性」の解説
日本語話者は、/l/ よりも、/r/ の方が、より適切に聞き取ったり、発声したりするよう改善できる余地がある、と示唆する報告もある。 Aoyama et al. (2004) は、英語の /l/、/r/と、/w/ の音について、アメリカ合衆国に居住する日本語母語話者の成人や子どもを対象として、長期間にわたる研究を行った。時間の経過とともに、子どもたちは、英語の /l/ よりも、英語の /r/ において発音が改善したという。 同様に、Guion et al. (2000) は、英語の音を聞き分ける訓練を受けた日本語話者は、/l/ よりも、/r/ において聞き分けが改善したという。この研究は、英語の /l/ は、英語の /r/ よりも、日本語の /r/ に近く聞こえるため、日本語話者にとっては、日本語の /r/ を英語の /r/ から区別するより、日本語の /r/ を英語の /l/ から区別する方が、難しいのではないかと示唆している。 Kuzniak & Zapf (2004) は、日本語母語話者と英語母語話者では、/r/ と /l/ の第二フォルマントと第三フォルマントの間に違いがあることを見出した。その結果から、日本語話者は、英語に近い形で第三フォルマントを生み出すことが難しく、特に /l/ の発音が難しいことが明らかになっている。 また、雑音があるカフェテリアやパーティー会場のような状況の下でも、英語の上級学習者といえる日本語話者は英語母語話者に準じて /r/ を聞き分けられるが、/l/ の聞き分けは困難だとする指摘もある。
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