片輪車との同一性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 17:10 UTC 版)
石燕の輪入道は、その形状や内容から1677年(延宝5年)刊行の『諸国百物語』に記されている京都の東洞院通に現れた車輪の妖怪「かたわ車」(片輪車)(巻一「京東洞院かたわ車の事」)から取材され描かれたものであると考えられており、『今昔画図続百鬼』で別々の妖怪として描かれている「片輪車」と「輪入道」は同一の説話を素材として別々に描かれた作品である。『諸国百物語』での挿絵には車輪の中央に顔がついた形の片輪車が描かれている。輪入道は男性、片輪車は女性として描かれており、現在もそのように解釈されているが、片輪車の姿が女性として描かれ始めてたのは1743年(寛保3年)刊行の『諸国里人談』あたりからである。石燕以前の版本の挿絵において既に描写の違い(車輪に人面がついているか・車輪に乗った女性か)が存在し、本来は全く同じ説話であった「片輪車」が、片輪車と輪入道という2つの妖怪へと分岐していったのではないかとされる。
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