浦島太郎 (1918年の映画)とは? わかりやすく解説

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浦島太郎 (1918年の映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/01 00:45 UTC 版)

浦島太郎
監督 北山清太郎
製作会社 日活向島撮影所
公開 1918年2月1日
製作国 日本
言語 日本語
前作 塵も積れば山となる(1917年)
次作 雪達磨(1918年)
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浦島太郎』は、1918年大正7年)2月1日公開の北山清太郎による日本のアニメ映画である。本作と考えられるフィルムが再発見されたが、のちに別作品であることが判明した(後述)。

概要

国産アニメ映画の創始者の1人である北山清太郎が手がけたアニメ映画。1918年2月1日に浅草・オペラ座で公開[1]。後述の通り本作と推定されるフィルムが存在したことから、現存する2番目に古い国産アニメーションとされていた[2]。フィルムは現存していないが、2017年の新美ぬゑの調査により、雑誌に掲載された本作品のスチール図版18枚の存在が確認されている[1]

おとぎ話の『浦島太郎』をアニメーション化した作品。物語は民話の浦島太郎をなぞっているが、劇中で映画を上映するシーンなど当時としては斬新な表現がみられる[1]

なおこの当時は、セル画などの技術が日本に伝わっていないため、半紙のような薄い紙に少しずつ動きの異なるキャラクターを描いていき、それを1枚1枚撮影する、いわゆるペーパーアニメーション方式で制作されていたという。

スタッフ

  • 原作 - 「浦島太郎」
  • 原案・演出・作画・監督 ‐ 北山清太郎
  • 製作 ‐ 日活向島撮影所

「浦島太郎」と推定されていたフィルム

(タイトル不詳)
監督 不詳
製作 不詳
公開 不詳
上映時間 2分
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映像外部リンク
浦島太郎(仮)
東京国立近代美術館によるデジタル復元版

北山の『浦島太郎』はながらくフィルムが現存しないとされていたが、2007年(平成19年)夏に文化史家の松本夏樹が大阪で玩具用の映写機と幸内純一の『なまくら刀[3]とともに売られているのを発見し買い取った。このフィルムはメインタイトル部分が欠落しており、松本はフィルムの古さからの推定と文献資料の裏付けからこれを『浦島太郎』であると推定した[1]。このフィルムは東京国立近代美術館フィルムセンターでデジタル復元され[4]2008年(平成20年)4月24日から開催された「発掘された映画たち2008」で上映された。

2017年、アニメーション研究家の新美ぬゑが国産アニメーション100年を記念する京都国際マンガミュージアムの企画展の準備に際して資料を調査したところ、従来『浦島太郎』と思われていたフィルムとは登場キャラクターが全く異なる『浦島太郎』のスチールを発見した[1]。これによって、このフィルムは北山による『浦島太郎』でないことが判明した[1]。東京国立近代美術館の運営するウェブサイト「日本アニメーション映画クラシックス」ではこの発見を受け、本フィルムを北山作品のリストから除外し[5]、「浦島太郎(仮)」という仮題を付している[6]

上映時間は1分、16fps35mmフィルム無声、染色[4]

脚注

  1. ^ a b c d e f 渡辺 2017.
  2. ^ 大盛会‼国産アニメーション誕生100周年講演「凸坊新画帖からアニメへ」”. 京都映画芸術文化研究所. 2017年12月13日閲覧。
  3. ^ 現存する日本最古のアニメ映画。
  4. ^ a b なまくら刀(塙凹内名刀之巻)[デジタル復元版] 、浦島太郎[デジタル復元版] - 東京国立美術館フィルムセンター
  5. ^ 北山清太郎”. 東京国立近代美術館. 2017年12月13日閲覧。
  6. ^ 浦島太郎(仮)”. 東京国立近代美術館. 2017年12月13日閲覧。

参考文献



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