水晶の合成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 08:36 UTC 版)
化学合成の中でも工業的に特に重要なのは水晶の合成である。オートクレーブ内に、天然水晶の小片(ラスカ)を下部に入れ、上部に種水晶を吊るし、アルカリ水溶液を満たして密封し、高温高圧(約350 ℃、90 - 145 MPa)に保つ。高温高圧の環境下で原料のラスカはわずかに溶解し飽和状態となる。下部にくらべ上部の温度を低くすることで内部に熱対流が発生し、飽和溶液は熱対流によって温度の低い上部に運び込まれる。上部は過飽和状態となり種水晶表面に水晶が再結晶化し、成長する。成長速度は、1日辺り0.4-0.5ミリメートルの速度で、40日程度から長いもので200日以上を要する[リンク切れ]。得られた水晶は、宝石として使用されるほか、水晶振動子としてクオーツ式時計に用いられる。
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