歴史と議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/18 21:42 UTC 版)
「クロミスタ」の名前は1981年にトーマス・キャバリエ=スミスが初めて用いた。この「クロミスタ」は、それ以前に "chromophyte" や "chromobion" と呼ばれていたグループに近いものであった。 その後、「クロミスタの葉緑体と渦鞭毛藻を含むアルベオラータの葉緑体は同一起源である」というクロムアルベオラータ仮説が提唱されたが、クロミスタが単系統群ではないという報告も存在していた。さらに、ほとんどリザリアがストラメノパイル・アルベオラータとともにSARスーパーグループを形成するという説が有力になり、クロミスタの単系統性は認められなくなっていった。 2010年、キャバリエ=スミスは新たに有中心粒太陽虫・アルベオラータ・リザリアを加え、クロミスタを拡張した。これによれば、クロミスタの共通祖先の段階で葉緑体が一度だけ獲得され、繊毛虫を含む複数の系統で葉緑体の退化が起きた、と説明される。しかし、この拡張されたクロミスタの単系統性および葉緑体の起源については、いまだ議論が続いている。 Cavalier-Smith (2018)における拡張されたクロミスタの分類体系界亜界下界上門門含まれる生物群クロミスタ Harosa= SAR Halvaria 不等毛類= ストラメノパイル Gyrista オクロ植物(珪藻・褐藻)・卵菌 Bigyra オパリナ アルベオラータ Miozoa 渦鞭毛藻・アピコンプレクサ 繊毛虫 リザリア ケルコゾア クロララクニオン藻・ネコブカビ Retaria 有孔虫・放散虫 ハクロビア クリプチスタ クリプト藻・テロネマ ハプチスタ ハプト藻・有中心粒太陽虫
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