極と極線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/06 04:18 UTC 版)

極(きょく、英: Pole)と極線(きょくせん[1]、英: polar, polar line)は、幾何学において、円錐曲線に関する点と直線を指す用語[2][3][4][5]。極は点であることを強調するため極点とも言われる[6][7]。
与円による極と極線の相反変換(Polar reciprocation)は、点を直線に、直線を点に変換する。
性質
極と極線はいくつかの有用な性質を持つ。
- 点Pが直線l上にあるとき、lの極Lは、Pの極線上にある(ラ・イールの定理、La Hire's theorem)[2][8]。
- 点Pが直線l上を動くとき、Pの極線はlの極を中心に回転する。
- 極を通る円錐曲線の2つの接線の接点は極線上にある。
- 円錐曲線上の点の極線は、その点における円錐曲線の接線である。
- 点が自身の極線上にあるならば、その点は円錐曲線上にある。
- どの直線も、退化していない円錐曲線に対して、極を持つ。
円の場合
円錐曲線が円である場合は反転と深い関係を持つ。もととなる円をCとする。極線Lの極は、Lの円の中心に最も近い点(円の中心を通る垂線の垂足)をCにおいて反転した点となる。逆に、点Qの極線は、QをCにおいて反転した点Pを通り、直線上の点の中で円の中心と最も近い点がPとなるような直線となる。

極と極線の関係は相互的である。点Qの極線q上の点Aの極線aはQを通る。
円の外側に極Pがある場合、その極線は別の定義をすることもできる。Pを通る円の接線は高々2個存在する。この2接線の接点を通る直線はPの極線となる。この定義から、退化していない円錐曲線に対する極と極線へ一般化することができる。
変換

極と極線の概念は射影幾何学にも発展できる。例えば、与えられた極と円錐曲線に対する射影調和共役点の集合は極線となる。 点を曲線に置き換える操作、またその逆の操作は極系(polarity)と呼ばれる[9]。
極系は対合として知られる相互関係でもある。
任意の点Pとその極線pについて、p上の他の点QはPを通る直線qの極である。これは相互的な関係を構築し、その逆の操作も相互的になる[10]。
円錐曲線への一般化


極と極線の概念は円から円錐曲線(楕円、双曲線、放物線等)へ拡張できる。接続関係や複比、射影変換などに関わる性質は、一般化しても同様に成り立つ。
極線の計算
一般化された円錐曲線は平面直交座標系(x , y)で、二次曲線として次の式で表すことができる。
- 極と極線のページへのリンク