朱桓と落頭民(飛頭蛮)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 10:20 UTC 版)
『捜神記』には、朱桓の下女(原文は婢女)が落頭民という南方に住む妖怪だったとの逸話が掲載されている。 朱桓は一人の下女を雇ったが、その女は夜眠ると首だけが離れ、耳を翼にして宙を飛び、犬潜り、あるいは窓から外へと出てゆく。そして翌朝には元へ戻った。 そばへ寝ていた者がこれを怪しく思い夜中に女を照らして見ると、そこには頭の無い胴体があった。体はやや冷たく、呼吸もあまりできていない。 胴へと衾を被せたところ、明け方戻った首は胴へと戻ることができず、力尽き幾度か地へと落ちた。息も荒くなり、死んでしまいそうになった為、その者は慌てて衾をどけてやった。すると首はまた元の胴へと戻る事ができたのだった。 この様なことが続いた為、主人の朱桓は女を畏れ暇を出したのであるが、聞けばそれは落頭民という部族が持つ天性の特徴であった。 また、南征に赴いた大将達は度々落頭民を得ることがあった。ある者は首のない胴へ銅盤を被せたが、落頭民の首は胴へ戻る事が出来ず、ついには死んでしまったという。
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