有輪動物とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 有輪動物の意味・解説 

シンビオン

(有輪動物 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 10:17 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
シンビオン属
分類
: 動物界 Animalia
亜界 : 真正後生動物亜界 Eumetazoa
階級なし : 左右相称動物 Bilateria
階級なし : 螺旋卵割動物 Spiralia
: 有輪動物門 Cycliophora
Funch & Kristensen, 1995
: 真有輪綱 Eucycliophora
: シンビオン目 Symbiida
: シンビオン科 Symbiidae
: シンビオン属 Symbion
Funch & Kristensen, 1995
  • S. americanus
    Obst, Funch & Kristensen, 2005
  • S. pandora
    Funch & Kristensen, 1995
  • 他に少なくとももう1種

シンビオン属 (Symbion) は、アカザエビ類に付着して生活する小型の無脊椎動物である。近縁の種がいないため、有輪動物門という新しい門を与えられた。有輪動物門に含まれるのはこの1属のみである。

シンビオン属ではじめて記載されたのはS. pandoraパンドラムシ)である。この種は1995年にReinhardt KristensenとPeter Funchによって、ノルウェー近海の大西洋に生息するアカザエビ科の一種ヨーロッパアカザエビの口器から発見された。シンビオンという名前は、エビに片利共生しているところから、共生を意味する英単語 symbiosis に因んで命名された。種小名 pandoraパンドラの箱に由来する。これは、固着世代の体内に、出芽しようとする固着世代や遊泳世代、さらにその遊泳世代の体内に含まれた固着世代が存在する様を"何が入っているか分からない"パンドラの箱に見立てたものである[1]

その後、アメリカウミザリガニからS. americanusが発見されたほか、ヨーロッパウミザリガニからも1種が見つかっているが、これはまだ命名されていない。 系統学的な位置ははっきりと分かっていない。当初は構造的な類似性から外肛動物内肛動物に近いとされたが[1]、現在では遺伝学的な解析によって、担顎動物により近いと考えられている[疑問点]

形態的な特徴

S. pandoraは左右相称であり、その体は袋状で体腔を持たない。丸い胴体と固着するための柄を備え、胴体の前端には繊毛冠がある。全体の感じはワムシ類にも似ている。細部については生活環の各段階で異なるので、下記の生殖の項を参照されたい。

生殖

以下のような世代交代を行う生活史を持ち、有性生殖出芽による無性生殖の両方を行う。

  • 無性世代
    • 固着性無性世代 - 長さは347μm、太さは113μmである。尾部には付着盤で、宿主に固着している。頭部には繊毛を持つ漏斗状の口と肛門を持ち、濾過食性である。
    • 遊泳性無性世代 - パンドラ幼生と呼ばれる。固着性無性世代から放出されて遊泳するが、遊泳期間は短く、同じ宿主個体に固着し、固着性無性世代に変態する。
  • 有性世代
    • - 長さ84μm、太さ42μmとなる。口も肛門も持たず、消化系もない。1対の陰茎を持つ。固着無性世代から放出されて遊泳し、他の固着性無性世代個体に付着して、その中にいる雌と交尾する。
    • - 大きさは雄と変わらない。雌は固着性無性世代の体内で成長し、外から来た雄と交尾したのち体外に出て、同じ宿主個体に付着する。それから変態して脊索幼生となり、長い遊泳期間を経て他の宿主個体に固着し、固着性無性世代となる。

参考文献


「有輪動物」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「有輪動物」の関連用語

有輪動物のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



有輪動物のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのシンビオン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS