さいしゅう‐さんらんめん【最終散乱面】
最終散乱面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 02:27 UTC 版)
宇宙の晴れ上がりの時刻は、現在の宇宙を満たしているCMB光子の多くが最後に電子と散乱した時刻である最終散乱面として求めることができる。光子が時刻 t {\displaystyle t} から現在までの間に散乱する確率 O {\displaystyle O} は、現在から過去向きに測った光子の光学的厚さ τ ( t ) = ∫ t t 0 c σ T n e ( t ) d t {\displaystyle \tau (t)=\int _{t}^{t_{0}}c\sigma _{\mathrm {T} }n_{e}(t)dt} を用いて O = 1 − e − τ {\displaystyle O=1-e^{-\tau }} と書くことができる。従って最終散乱面は τ = 1 {\displaystyle \tau =1} となる時刻、またはビジビリティ関数 V ( t ) := 1 a d O d t {\displaystyle V(t):={\frac {1}{a}}{\frac {dO}{dt}}} ( a {\displaystyle a} はスケール因子) が最大値を取る時刻 t L S {\displaystyle t_{\mathrm {LS} }} として求めることができる。Planck18の宇宙論パラメータのもとではこれは t = 3.738 × 10 5 y r {\displaystyle t=3.738\times 10^{5}\,\mathrm {yr} } 、あるいは赤方偏移パラメータでは z = 1090 {\displaystyle z=1090} と見積もられる。
※この「最終散乱面」の解説は、「宇宙の晴れ上がり」の解説の一部です。
「最終散乱面」を含む「宇宙の晴れ上がり」の記事については、「宇宙の晴れ上がり」の概要を参照ください。
- 最終散乱面のページへのリンク