暗示形式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/16 20:31 UTC 版)
誤解を招く会話形式として、質問に明示的に言及されないことを暗示するというものがある。たとえば「ジョーンズさんには軍人の兄弟がいるんですか?」という質問は、そのような事実を主張しているわけではないが、少なくともそう思われる徴候があることを示唆しており、さもなくばこのような質問がされることもないだろう。このような質問をしている人は嘘の主張をしているわけではないが、暗黙の複合的質問(単純に「はい」や「いいえ」で答えると誤解を生むような質問)を含意している。この質問自体は誤謬ではないが、この質問を聞いた人々が質問の前提を裏付ける証拠があるのだろうと仮定することに誤謬が存在する。ここで挙げた例はどうということはないが、たとえば「ジョーンズさんには監獄に兄弟がいるんですか?」ではどうだろうか。 修辞的な効果を狙うなら、事実の証拠なしでは普通は聞かないだろうというようなことを暗示しなければならない。たとえば「ジョーンズさんには兄弟はいますか?」という質問では、特に事前の知識がなくとも普通にされる質問であるため、それを聞いた人は何らかの証拠があるに違いないとは思わない。
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