星野昌彦とは? わかりやすく解説

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星野昌彦

星野昌彦の俳句

「このアカデミック崩れ蟬の殻
いづれ死ぬ金魚時々空気を呑み
かりがねや海に出て行く隅田川
きさらぎや叱られてゐる三河犬
はじめから雪溶けてゐる虚像かな
みんな晩年秋鯖の腸ひき抜かれ
クリムトの馬動かざる春の暮
セシウムなど見えず巻き込む牛の舌
フルートの穴一列に即是空
一隅を得て寒がりし神楽笛
人生はおほかた虚構鉦叩き
便器の蓋すなはち自動即是空
傘寿言祝ぐ紙屑籠に紙溢れ
傾きしまま削られし鰹節
凶年や瓦礫から蝶湧き上がり
即是空ジーンズ脱ぎしまま干され
即是空九竅に綿詰められて
囲炉裏けぶらせて猪撃つ話など
夏椿死亡欄から読みはじめ
夏瘦せて馬に会ひたる峠かな
大鋸屑に埋められし海老すこし動く
富士山を見捨てて走る草野球
怺へゐて時々は鳴くきりぎりす
戦後からとびとびに来て桜かな
日々好日胡瓜は糠に埋まりゐて
春の宵婆ら隠るるバスタオル
春眠や水漏れている保育園
昼の月石垣に蛇食ひ込みて
晴天続く東司に入りし草虱
桜蘂降る東北のこと語らざる
椅子浅く掛けて死を待つ鳶の笛
歳晩の辰野へ軋む飯田線
死なば骨残る連翹花盛り
死ぬまでは戦後乾きし花筵
殺されし牛へ繋がる風の途
水田や孤独に抜きし鷺の脚
永遠は即瞬間や油虫
河郎忌鉄橋響き易きかな
河骨や婆は死ぬまで着ぶくれて
溶接の火を噴く誰も彼もピカソ
無花果裂けどこかで母が呼んでゐる
父の死後すこし躄りし陶狸
父の系図立て掛けておく蠅叩
爺ら肩組めば矢鱈に桜かな
生きるとは海月浮くこと即是空
痴呆すすむ首振つてゐる扇風機
真つ当に生きて汚れし羽抜鶏
眠る子の指緩みたる握り飯
秋風や吸ふ時も鳴るハーモニカ
立葵とぎれとぎれし犬の尿
 

星野昌彦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/27 09:01 UTC 版)

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星野 昌彦(ほしの まさひこ、1932年3月22日 - )は日本の俳人愛知県豊橋市出身・在住。

経歴

内藤吐天に師事。「具象」主宰。1983年、第1回現代俳句協会新人賞受賞。1986年、第5回現代俳句協会評論賞受賞[1]2013年、第14句集『花神の時』で第68回現代俳句協会賞受賞[2]

作品は、俳句誌の「俳句研究」(角川マガジンズ)、「林苑」(林苑発行所)、「俳句」(角川文化振興財団)、「俳壇」(本阿弥書店)などにも発表されている[3]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 第68回 星野昌彦” (日本語). 現代俳句協会. 2020年9月27日閲覧。
  2. ^ 星野昌彦さん現代俳句協会賞”. 2020年9月27日閲覧。
  3. ^ 国立国会図書館デジタルコレクションに収載。



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