既約表現への分解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/12/31 08:53 UTC 版)
非自明な可約表現の表現行列 R は、相似変換によってブロック行列 Ri ≠ 0 に分解することができる。 R ∼ [ R 1 0 ⋯ 0 0 R 2 ⋯ 0 ⋮ ⋮ ⋱ ⋮ 0 0 ⋯ R n ] {\displaystyle \mathbf {R} \sim {\begin{bmatrix}\mathbf {R} _{1}&0&\cdots &0\\0&\mathbf {R} _{2}&\cdots &0\\\vdots &\vdots &\ddots &\vdots \\0&0&\cdots &\mathbf {R} _{n}\end{bmatrix}}} それ以上ブロック行列に分解できなくなったとき、それぞれのブロック行列は既約表現の表現行列となる。 相似変換をしても指標は変化しない。また可約表現の表現行列の指標は、それぞれのブロック行列の指標を足し合わせたものと等しい。よってある可約表現が与えられたときに、指標表のみを用いて既約表現に分解することができる。ここで可約表現に現れる既約表現の重複度 n i {\displaystyle n_{i}} は、次のように与えられる。 n i = 1 | G | ∑ g ∈ G χ r ( g ) χ i ( g ) ¯ . {\displaystyle n_{i}={\frac {1}{\vert G\vert }}\sum _{g\in G}\chi _{r}(g){\overline {\chi _{i}(g)}}.} ここで χ i {\displaystyle \chi _{i}} は既約表現の指標、 χ r {\displaystyle \chi _{r}} は可約表現の指標、|G| は群 G の位数である。この式は指標表の直交関係から直ちに導かれ、簡約公式などと呼ばれる。
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