施薬院の読み方
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 10:07 UTC 版)
全宗に関する研究が不充分だったため、ヤクインと読むべきところ、セヤクインと誤って読んでいるのが実態であるが、古来、正式の読み方が存在していた。 故実に通じた中御門宣胤の日記『宣胤卿記』によると、施薬院使の任命に際し宣旨案の様式と読み方について語った永正2年(1506年)12月24日条に、 頼量期臣、申施薬院使事。可任申文案、宣下案令見之。宣下ト書之。宣為分改了。施字如何、可読云々。不読也。百官中、不読字多。内蔵・内匠・造酒等類也。 とある。 つまり、内蔵と書いてクラ、内匠と書いてタクミ、造酒と書いてサケと読む場合と同様、施薬院と書いて施の字を読まず、ヤクインと読むのが正しいのである。 江戸時代後期に刊行された谷川士清の『和訓栞』にこの読みが明記され、『古事類苑』などの典拠となっており、上記の史料はその謂れを詳らかにするとともに、当代(戦国期)の正当な読み方であったことが確証付けられる。
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