放れ山古墳とは? わかりやすく解説

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放れ山古墳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/06 11:52 UTC 版)

放れ山古墳
墳丘・石室開口部
別名 放レ山古墳
所在地 島根県出雲市下古志町(下新宮)
位置 北緯35度20分12.40秒 東経132度44分35.65秒 / 北緯35.3367778度 東経132.7432361度 / 35.3367778; 132.7432361座標: 北緯35度20分12.40秒 東経132度44分35.65秒 / 北緯35.3367778度 東経132.7432361度 / 35.3367778; 132.7432361
形状 円墳
規模 直径13m
高さ3m
埋葬施設 両袖式横穴式石室
(内部に有縁屍床3基)
出土品 金環・ガラス玉・圭頭大刀・金銅装小刀・銀装大刀・刀子・鉄鏃・馬具・須恵器
築造時期 6世紀後半-末
史跡 島根県指定史跡「放れ山古墳」
地図
放れ山古墳
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放れ山古墳(はなれやまこふん、放レ山古墳)は、島根県出雲市下古志町にある古墳。形状は円墳。島根県指定史跡に指定されている。

概要

神戸川左岸の主な後期古墳
古墳名 墳形 石室 築造時期 史跡指定
妙蓮寺山古墳 前方後円墳 6c後半 県史跡
放れ山古墳 円墳 6c後半-末 県史跡
宝塚古墳 不明 6c末-7c初頭 国史跡

島根県東部、出雲平野南部の神戸川南岸の低丘陵(妙蓮寺山)東端上(標高約10メートル)に築造された小型の古墳である。大正年間に石室が開口し、副葬品が出土している。

墳形は円形(または方形[1])で、直径13メートル・高さ3メートルを測る[2][3]。墳丘外表で葺石埴輪は認められていない[2]。埋葬施設は両袖式の横穴式石室である。切石を使用した整美な石室で、玄室内には3基の有縁屍床を据える。石室内の副葬品としては、金環・ガラス玉・圭頭大刀・金銅装小刀・銀装大刀・刀子・鉄鏃・馬具・須恵器が出土している。

築造時期は、古墳時代後期の6世紀後半-末ごろと推定される[3]。一帯では放れ山古墳のほか妙蓮寺山古墳宝塚古墳などの後期古墳が分布しており、神戸川北岸の今市大念寺古墳上塩冶築山古墳などに次ぐ有力者の墓群と想定される。特に放れ山古墳は、特異な石室構造と豊富な副葬品の点で注目される[2]

古墳域は1959年(昭和34年)に島根県指定史跡に指定されている。

遺跡歴

  • 大正年間、石室の開口。副葬品出土[1]
  • 1959年(昭和34年)9月1日、島根県指定史跡に指定。

埋葬施設

石室俯瞰図
石室展開図

埋葬施設としては両袖式横穴式石室が構築されている。石室の規模は次の通り[1]

  • 石室全長:約7メートル[2]
  • 玄室:長さ3.3メートル、幅1.7メートル、高さ2メートル
  • 羨道:長さ2メートル以上、幅1.1メートル、高さ1.7メートル

石室の石材は、玄室では凝灰岩の切石で、羨道では小型の切石・割石。玄室の奥壁には一枚石を立てる。側壁は5段の切組積みで、北壁では基底部にやや大型の切石を置き、南壁ではやや小型の切石を使用しており、石材を持ち送りややアーチ状を呈する。天井石には自然石を架ける[3]。玄門には放柱状の石を立てて、その上に同形の石を架ける[1]

玄室内には低い縁の有縁屍床3基を据える。1基は北壁に沿い、2基は南壁に沿う[1]

出土品

大正年間に石室内から出土した副葬品は次の通り[1]

  • 金環
  • ガラス玉
  • 圭頭大刀 - 北側屍床出土。
  • 金銅装小刀
  • 銀装大刀
  • 刀子
  • 鉄鏃
  • 馬具類 - 北側屍床・奥壁間出土。
    • 金銅装鏡板付轡
    • 素環鏡板付轡
    • 鉄地金銅装雲珠・辻金具
  • 須恵器 - 北側屍床・玄門間出土。

文化財

島根県指定文化財

  • 史跡
    • 放れ山古墳 - 1959年(昭和34年)9月1日指定。

脚注

  1. ^ a b c d e f 島根県の地名 1995.
  2. ^ a b c d 日本古墳大辞典 1989.
  3. ^ a b c 放レ山古墳(島根県「山陰史跡探訪」)。

参考文献

(記事執筆に使用した文献)

関連項目

外部リンク




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