志向的区別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 13:55 UTC 版)
志向的区別においては全く同じものが別の概念で、別の方法で表現される(Quodl. V, q. 12)。純粋に論理的な区別とは異なり、志向的区別は常になんらかの複合物を指すが、実在的区別によって指されるものと比べて小さい。 例えば「理性的」と「動物」はいずれも人間の内に見いだされるので観点的には区別されない、というのは一方が他方の定義になってはいないからである。一方で実在的区別でもない、さもなくば「理性的」と「動物」の結合がそれぞれの人間の中で純粋に付帯的(羅:per accidens)なものということになってしまうからである。それゆえ何らかの中間的区別が存在しなければならず、それをヘンリクスは「志向的」と名付ける。この原理は後にスコトゥスによって形相的区別の概念へと発達させられる。
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