弧長変数と線素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 08:09 UTC 版)
「弧長」も参照 n 次元実多様体 M の領域 Ω を考える。局所的には Ω ⊂ Rn と考えることができる。Ω 内の滑らかな曲線 γ: I → Ω が r = γ(t) = (γ1(t), γ2(t), …, γn(t)) で与えられているとき、s = s(t) が γ の弧長変数であるとは、それが線分 γ に沿って端点から測った γ の弧長を与えるものであることを言う。いま γ はなめらかであるから、その弧長は区間 I = [a, b] 上の各点 t0 に対して s ( t 0 ) = ∫ a a + t 0 | d γ d t | d t = ∫ a a + t 0 ( d γ 1 d t ) 2 + ( d γ 2 d t ) 2 + ⋯ + ( d γ n d t ) 2 d t {\displaystyle s(t_{0})=\int _{a}^{a+t_{0}}\left|{\frac {\mathrm {d} \gamma }{\mathrm {d} t}}\right|\mathrm {d} t=\int _{a}^{a+t_{0}}{\sqrt {({\tfrac {\mathrm {d} \gamma _{1}}{\mathrm {d} t}})^{2}+({\tfrac {\mathrm {d} \gamma _{2}}{\mathrm {d} t}})^{2}+\cdots +({\tfrac {\mathrm {d} \gamma _{n}}{\mathrm {d} t}})^{2}}}\;\mathrm {d} t} で与えられる。特に s は d s = | d γ d t | d t = | d γ | {\displaystyle \mathrm {d} s=\left|{\frac {\mathrm {d} \gamma }{\mathrm {d} t}}\right|\mathrm {d} t=|\mathrm {d} \gamma |} を満たすが、これはパラメータ t の取り方に依らず定まることに注意すべきである。記号的には | d r | 2 = d x 1 2 + d x 2 2 + ⋯ + d x n 2 {\displaystyle |\mathrm {d} \mathbf {r} |^{2}=\mathrm {d} x_{1}^{2}+\mathrm {d} x_{2}^{2}+\dotsb +\mathrm {d} x_{n}^{2}} に r = γ(t) を代入することで得られる。この ds を γ の線素(せんそ、line element)と呼ぶ。曲線が区分的に滑らかなら、微分可能な区間の和にわけて同じく弧長を定義することができる。
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