平面波の周期性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/04 15:43 UTC 版)
平面波の周期性について、以下の命題が成り立つ。 命題1 ― 実数または複素数に値を持つ実 d 変数関数 Φ を時間変数を持たない平面波であるとし、K ≠ 0 を Φ の波数ベクトルとするとき、 K ⋅ τ = 0 となる任意の実 d 次元ベクトル τ は、Φ の周期である。 上記の τ に対し、λ を任意実数(つまり整数でなくてもよい)としたとき、λτ もまた、Φ の周期である。 即ち、命題1は、K の直交補空間の点は皆、波数 K の平面波 Φ の周期であることを主張している。 命題2 ― 実数または複素数に値を持つ実 d 変数関数 Φ を時間変数を持たない平面波、K ≠ 0 を Φ の波数ベクトルとするとき、 K ⋅ τ = 2lπ ( l は任意整数)となるような実 d 次元ベクトル τ は Φ の周期である。 d 次元実定数ベクトル a が、K ⋅ a ≠ 0 を満たし、l が整数であるとき、 T = 2 π l a K ⋅ a {\displaystyle T={\frac {2\pi l{\boldsymbol {a}}}{\sqrt {{\boldsymbol {K}}\cdot {\boldsymbol {a}}}}}} もまた、Φ の周期である。 以下の定理より、d 重周期関数 F と同じ d 重周期を持つ平面波を沢山作る方法が与えられる。 定理 (逆格子の存在) ― T と G を、d 次実正則行列、p1, ... pd を整数とする。さらに、T と G の間に ( t G ) T = 2 π E {\displaystyle ({}^{\mathrm {t} }G)T=2\pi E} の関係が成立するとする。ここで、E は d 次単位行列である。さらに、Φ は、波数 G(p1, ... pd) の平面波とする。 このとき、T1, T2, ... , Td は全て Φ の周期となる。但し、 G ( p 1 , p 2 , . . . , p d ) = p 1 G 1 + ⋯ + p d G d {\displaystyle G({p}_{1},{p}_{2},...,{p}_{d})={p}_{1}{\boldsymbol {G}}_{1}+\cdots +{p}_{d}{\boldsymbol {G}}_{d}} である。Tj, Gj はそれぞれ T および G の第 j 列ベクトルを意味する。
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