帝国館 (豊橋市)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 帝国館 (豊橋市)の意味・解説 

帝国館 (豊橋市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/16 05:37 UTC 版)

帝国館

1936年の帝国館
情報
正式名称 帝国館
旧名称 弥生座
開館 1893年
閉館 1945年6月
設備 木造2階建
用途 劇場
所在地 愛知県豊橋市上伝馬町[1]
テンプレートを表示

帝国館(ていこくかん)は、愛知県豊橋市上伝馬町にあった映画館

前身は1893年(明治26年)に設立された演劇場の弥生座であり、1921年(大正10年)に映画館に転換して帝国館となった。1945年6月の豊橋空襲で焼失し、跡地には1945年から1950年まで第一映画劇場/豊橋第一東映劇場が存在した。

歴史

帝国館(1921-1945)

明治時代末期の上伝馬通

帝国館の前身は、1893年(明治26年)に上伝馬町に設立された演劇場弥生座である[2]。1901年(明治34年)10月には同じく上伝馬町の朝日座で、豊橋初とされる活動写真の上映が行われた[2]。明治時代の上伝馬町には弥生座(演劇/演芸)のほかに、朝日座と河原座(演芸)があった[2]

1921年(大正10年)には弥生座が映画館に転換して帝国館となった[3]。建物は木造2階建の洋館であり[4][2]、内部は天井が高く、極彩色のエジプト風絵画が飾られていた[2]。帝国館は日活の直営だったが[2]、昭和初期にはアメリカ映画も上映した[4]モギリ嬢はエプロンを羽織っており、二階席への上り口には法被を着た下足番がいた[2]。二階席の前方には青い絨毯が敷かれており、後方は背もたれ付きの長椅子が雛壇となっていた。一階席は7-8人掛けの長椅子が並んでおり、中央の通路を挟んで左側が紳士席、右側が婦人席、中央が同伴席となっていた。大正末期の時点では、豊橋市内の映画館は当館のほか、豊明館、オペラ館、大盛館、錦正館、有楽館の5館が存在した[1]

1945年(昭和20年)6月19日深夜から20日未明、太平洋戦争時の豊橋空襲で焼失した[4]。この空襲では帝国館のほかに、錦館[5]、キネマパワー[6]、花田館[7]豊橋東宝映画劇場[8]も焼失しており、一時的に豊橋から映画館が消えている。

第一映画劇場/豊橋第一東映劇場(1945-1950)

終戦後の1945年10月末には帝国館の焼け跡に第一映画劇場が開館している[4][9]。終戦後の数年間は娯楽を求める豊橋市民で満員だった[9]。ヨーロッパ映画の上映が多かったが、1949年(昭和24年)には東映封切館となって豊橋第一東映劇場に改称[9]。なお、この頃の萱町には第一映画劇場、第一銀行、第一生命保険などがあり、第一通りと呼ばれた[9]。1950年(昭和25年)に閉館となった。

脚注

  1. ^ a b 岐阜・愛知・三重・滋賀”. 全国主要映画館便覧(大正後期編). みつ豆CINEMA. 2016年12月5日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 『上伝馬町誌』p. 70
  3. ^ 『豊橋市史 第4巻』p. 912
  4. ^ a b c d 『豊橋百科事典』p. 442
  5. ^ 『豊橋百科事典』p. 386
  6. ^ 『豊橋百科事典』p. 175
  7. ^ 『豊橋百科事典』p. 584
  8. ^ 『豊橋百科事典』p. 514
  9. ^ a b c d 『豊橋百科事典』p. 382

参考文献

  • 上伝馬町史編集委員会『上伝馬町誌』、2004年
  • 豊橋市史編集委員会『豊橋市史 第4巻』豊橋市史、1987年
  • 豊橋百科事典編集委員会『豊橋百科事典』豊橋市、2006年



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「帝国館 (豊橋市)」の関連用語

帝国館 (豊橋市)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



帝国館 (豊橋市)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの帝国館 (豊橋市) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS