岡田一実
岡田一実
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/29 17:30 UTC 版)
岡田 一実(おかだ かずみ、1976年 - )は、俳人。富山県富山市生まれ。愛媛県松山市在住。「鏡」同人。
来歴
2006年頃よりインターネットで俳句をはじめる。2007年より夏井いつきの「いつき組」に参加。2010年、第3回芝不器男俳句新人賞にて城戸朱理奨励賞受賞。2014年、第32回現代俳句新人賞受賞。2015年より「らん」同人。2019年、句集『記憶における沼とその他の在処』において第11回小野市詩歌文学賞受賞。審査員の宇多喜代子は「酸欠の部屋に流れこんだ新しい空気のような気持ちのよさがある」[1]と評した、2021年、第4句集『光聴』の帯文において岸本尚毅は「この作者は、目に映り、耳に聞えるものを、ふつうの感受のしかた以上に克明かつ分析的に捉え、それをやや理屈っぽくも見える、解像度の高い言葉遣いで再構成する。」[2]と評した。同作は田中裕明賞で次点。2022年、評論「『杉田久女句集』を読む―ガイノクリティックスの視点から」で第42回現代俳句評論賞受賞。「ジェンダー論に基づいた極めて新鮮な切り口の一編、久女の存在が立体的に豊かさをもってたちあがってくる、若い世代へのメッセージ性も十分」[3]などの高い評価を得た。同年、松山大学人文学部学術講演会にてドゥーグル・J・リンズィー氏講演会&シンポジウム―haikuと俳句 世界と地域から―」[4]にてパネリストを務める。2023年、「らん」終刊。同年、「鏡」同人。
人物
- 浄土真宗の寺院に生まれ、ペットの犬が死んだのをきっかけに俳句を始めた[5]。
- 結婚の際、夏井いつきが媒酌人となり、「俳句結婚式」を挙げたエピソードを、夏井がエッセイで紹介している[6]。
- 第五句集『醒睡』は、青磁社のHPにて本人による全編朗読の音声データが無料で公開されており、肉声を聴くことができる[7]
著書
- 『境界-border-』マルコボ.コム 2014.11 ISBN 978-4904904060
- 『新装版 小鳥』マルコボ.コム 2015.11 ISBN 978-4904904220
- 『記憶における沼とその他の在処』青磁社 2018.8 ISBN 978-4861984082
- 『光聴』素粒社 2021.3 ISBN 978-4-910413-02-0
- 『篠原梵の百句』ふらんす堂 2024.4 ISBN 978-4781416526
- 『醒睡』青磁社 2024.5 ISBN 978-4861985850
共著
- 関西俳句なう(本阿弥書店、2015年) ISBN 978-4776811626
収録
- 天の川銀河発電所(佐藤文香編著、左右社、2017年)ISBN 978-4865281804
出典
- 第三回芝不器男俳句新人賞選考結果
- 現代俳句協会ホーム > 各賞紹介 > 現代俳句新人賞 > 平成26年度第32回受賞者 岡田 一実(おかだ・かずみ)
- 「五七五に救われる 富山から俳句の聖地へ『北日本新聞』2019.12.1
- “第42回受賞作「『杉田久女句集』を読む――ガイノクリティックスの視点から」岡田一実”. 現代俳句協会. (2022-07-05)
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の日付が不正です。 (説明)⚠ - 『光聴』素粒社 2021.3 ISBN 978-4-910413-02-0
- 『現代俳句』2022年10月号
- <松山大学人文学部学術講演会>ドゥーグル・J・リンズィー氏講演会&シンポジウム―haikuと俳句 世界と地域から―
外部リンク
脚注
- ^ *「五七五に救われる 富山から俳句の聖地へ『北日本新聞』2019.12.1
- ^ *『光聴』素粒社 2021.3 ISBN 978-4-910413-02-0
- ^ 『現代俳句』2022年10月号
- ^ *<松山大学人文学部学術講演会>ドゥーグル・J・リンズィー氏講演会&シンポジウム―haikuと俳句 世界と地域から―
- ^ *それぞれの頂を目指して 岡田一実『光聴』インタビュー
- ^ 夏井いつき『瓢箪から人生』84頁ー96頁 小学館 2022.8 ISBN 978-4093888660
- ^ *。醒睡ー青磁社 seijisha
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