山内豊敷とは? わかりやすく解説

山内豊敷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/12 09:26 UTC 版)

 
山内豊敷
山内豊敷像(土佐山内家宝物資料館蔵)
時代 江戸時代中期
生誕 正徳2年6月8日1712年7月11日
死没 明和4年11月19日1768年1月8日
改名 正之助→伊右衛門→重固→豊敷
戒名 大昌院天徳承真
墓所 土佐藩主山内家墓所(高知県高知市筆山町)[1]
官位 従四位下民部大輔侍従土佐守
幕府 江戸幕府
主君 徳川吉宗家重家治
土佐藩
氏族 山内氏
父母 山内規重、西大路隆栄娘富姫
山内豊常
兄弟 豊敷、茂信
山内豊隆長姫
加恵、祥栄院
豊治、豊儀、豊根、豊雍豊泰、峰、賀、正
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山内 豊敷(やまうち とよのぶ)は、土佐藩8代藩主。

生涯

正徳2年(1712年)6月8日、土佐藩家老深尾家の分家で、山内姓を与えられていた山内規重の長男として生まれる。豊敷の父・規重は、第2代藩主・山内忠義の弟で深尾家に養子入りした深尾重昌の子孫で、山内氏一族の中でも人望があり、家老として藩主を補佐していた人物でもあった。父・規重が享保6年(1721年)に死去し、跡を継いだ。初名は重固であった。

享保10年(1725年)10月22日、本家の第7代藩主・山内豊常が子女を残さないまま早世したため、豊常の妹・長姫の夫で義弟の豊敷が豊常の養子となって跡を継いだ。同年10月28日、将軍徳川吉宗御目見する。同年12月18日(西暦では1726年1月)、従四位下・民部大輔に叙任する。享保13年12月21日(西暦では1729年1月)、侍従に任官する。

しかし藩政においては、享保12年(1727年)の高知城焼失、享保17年(1732年)の害虫による凶作、享保18年(1733年)には前年の凶作による飢餓などに苦しめられ、幕府から1万5000両を借り受け、藩財政再建を目指して藩政改革を断行する。行政整理や風俗の徹底、製鉄業の奨励、藩士からの半知借上、宝暦2年(1752年)には国産方役所を設置して製紙業の専売化をはかるなどしている。しかし専売化に反対する中平善之進らによる一揆が起こり、一揆側の要求を受け入れて宝暦10年(1760年)に役所を一時的に廃止するなど、藩政改革は失敗に終わった。

宝暦9年(1759年)に藩校・教授館を創設し、文武を奨励する。さらに目安箱を設置して広く意見を求めるなどしたが、効果はなかった。明和4年(1767年)11月19日に死去した。享年56。

墓所は国史跡の土佐藩主山内家墓所[2]高知県高知市筆山町)[1]

跡を四男の豊雍が継いだ。

逸話

  • 土佐藩の兵学者だった広瀬実路が、源義経の兜と称する二十四間星兜鉢を山内家へ献上した。近年の調査で鎌倉時代後期の作と判明したが、豊敷は「義経の兜」として大切に扱い、城の武具蔵の巡検の際も、案内役の家臣に対し、「大変古く、珍しく貴重な宝であるから、部品を仕立てるようなことはせず、このまま置いておこうと思う。役人はよく心得、今後手入れを念入りにするように」と述べ、文化財修理の基本理念である「現状維持」の方策を採った。そのため兜は、献上当時の状態で代々受け継がれたという[3]

系譜

脚注

  1. ^ a b 国史跡土佐藩主山内家墓所整備事業概要(令和2・3年度)”. 公益財団法人土佐山内記念財団. 2025年2月6日閲覧。
  2. ^ 山内家墓所”. 高知県立高知城歴史博物館. 2025年2月6日閲覧。
  3. ^ 高知県立高知城歴史博物館 編集・発行『高知県立高知城歴史博物館 JOHAKU NEWS Volume12』令和3年2月12日発行、p.2.




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