小田豊 (ロードレース)
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小田 豊 (おだ ゆたか、英: Yutaka Oda、1948年1月21日[1] - 1973年) は、愛知県名古屋市中区出身[2]のオートバイ・ロードレーサー。1969年の全日本ロードレース選手権セニア90ccクラス、1972年の全日本セニア125ccおよび251cc以上クラスダブルチャンピオン[3]。身長160cm、体重54kg[1]。
経歴
16歳でオートバイ運転免許を取得し、観戦した第3回日本グランプリロードレースで衝撃を受け、自らもレースに挑戦したいという気持ちが芽生えた。当初の目標は「アマチュア耐久レースで入賞してみたい」という程度のものだったが[2]、レースに出場しはじめるとレーサーとして開花、最高峰ライセンスのセニアクラスまで昇格した。1歳年上で地元も近かった高井幾次郎は1969年まで中部スポーツライダーに所属しジュニア125ccクラスへ参戦していたが、翌1970年より小田と同じプレイメイトレーシングに加入[注 1]。高井がセニア250cc、小田がセニア125ccに参戦するようになり、1972年には「ヤマハのダブルエース」と呼ばれた[4]。
小柄な小田は当初90ccクラスに参戦していたが、当時の全日本選手権で90ccクラスは125ccとの混走で行われる場合も多く、その場合小田は90ccマシンで125ccに食いついて走り総合順位で125ccマシンの間に割って入ることもあった[5]。 1969年、全日本ロードレース選手権セニア90ccクラス(125ccとの混走開催)で3勝を挙げシリーズチャンピオンを獲得[6]。翌1970年もセニア125ccクラスを制し2クラス制覇を達成。1971年は125ccクラスランキング2位と継続してトップ選手として活躍。1972年はセニア125ccと、251cc超クラスの両クラスを制覇し、通算での3クラス制覇という強さを見せた。
海外レースにも高井とともに参戦し、1972年11月25-26日に行われた第19回マカオグランプリでは、ほぼノーマルのヤマハ・RX350で参戦したセニアオープンクラスで完勝、メインレースではヤマハ・TR3に乗り高井が優勝、小田が2位の1-2フィニッシュを果たす[4]。
1973年は全日本選手権750ccクラスに参戦、4月15日の第2戦鈴鹿大会では総合結果で隅谷守男に次ぐ2位(隅谷が賞典外のフォーミュラリブレ参戦のため、小田がクラス1位。)に入るなど好調だったが、MCFAJ全日本モーターサイクルクラブ連盟の間瀬サーキットでのレースに参戦中の事故により死去、25歳没[1]。
レース戦歴
全日本ロードレース選手権
年 | チーム | 車両 | 区分 | クラス | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 順位 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1969年 | プレイメイトレーシング | ヤマハ | セニア | 90cc | FSW 5 |
SUZ 1 |
SUZ 1 |
SUZ 2 |
FSW 1 |
SUZ 1 |
1位 | 34 (40) |
1972年 | ヤマハ・TR3 | 251cc以上 | SUZ |
SUZ 6 |
TSU |
SUZ |
TSU |
SUZ |
1位 | 40 | ||
1973年 | ヤマハ | TSU | SUZ 2 |
SUZ |
SUZ | TSU | SUZ | 9位 | 15 |
脚注
注釈
- ^ 高井はその後、チームの責任者となり1982年の死去までチームを牽引する。
出典
- ^ a b c 「Rider Album 日本のレーシングモーターサイクル栄光の歩み」『モーターサイクリスト』12月号増刊、八重洲出版、1988年12月15日、272頁。
- ^ a b 「われらMFJ会員 ロードレースを志す小田豊18歳」『ライディング No.』MFJ日本モーターサイクルスポーツ協会、1967年3月1日、19頁。
- ^ MFJ歴代チャンピオン SUPERBIKE.jp
- ^ a b マカオグランプリ・TR3とプレイメイトRT大活躍でヤマハ六連勝 『ヤマハニュース』 1973年1月1日、32頁。
- ^ 「ジュニア・セニア90cc,125cc結果」『ライディング No.39』MFJ日本モーターサイクルスポーツ協会、1969年6月20日、30頁。
- ^ 「4戦3勝でS90チャンピオンをきめた小田豊。耐久だけは落としたが鈴鹿で2連勝を飾った」『ライディング No.41 '69日本GPロードレース招待号』MFJ日本モーターサイクルスポーツ協会、1969年10月10日、5頁。
タイトル | ||
---|---|---|
先代 神谷良明 |
全日本選手権セニア90cc チャンピオン 1969 |
次代 近藤英二 |
先代 隅谷守男 |
全日本選手権セニア125cc チャンピオン 1970 |
次代 杉本泉 |
先代 杉本泉 |
全日本選手権セニア125cc チャンピオン 1972 |
次代 角谷新二 |
先代 金谷秀夫 |
全日本選手権セニア251cc以上 チャンピオン 1972 |
次代 根本健 |
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