実質賃金率の決定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:32 UTC 版)
労働市場についての、従来の経済学に対するケインズの批判は有名である。新古典派経済学は、賃金と雇用量は労働市場の均衡において決まると考えるが、ケインズは財市場において実質賃金率が決まると考える。多くのマルクス経済学者は(新古典派と同様に)労働市場で実質賃金率が決まると考えてきた。しかし労働市場で決まるのは名目賃金率であり、同様に名目価格は財市場で決まる。実質賃金率を決めるためには、その双方(名目賃金率と名目価格(物価))が必要である。置塩は、実質賃金率の変動を研究し、資本主義経済の蓄積過程においては、実質賃金率を規定する最も大きな要因は、資本家の投資需要であることを突き止めた。つまり投資需要が財全体の需要に影響し、財の需要量が財の供給量に影響し、財の供給量が雇用量と名目賃金率に影響する。最後に財市場で決まる物価と名目賃金率とから実質賃金率が決まるのである。
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