安藤氏_(丹波国)とは? わかりやすく解説

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安藤氏 (丹波国)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/07 21:37 UTC 版)

安藤氏
(家紋)
本姓 伏見宮家庶流
家祖 邦茂王
種別 武家
主な根拠地 丹波国桑田郡尾口村(小口村)
著名な人物 安藤定実
安藤定子
安藤了翁
安藤朴翁
安藤年山
支流、分家 津田氏
凡例 / Category:日本の氏族

安藤氏(あんどうし)は、室町時代から江戸時代にかけての武家江戸時代には安藤定子が伏見宮貞致親王を生み、安藤了翁安藤朴翁安藤年山といった儒学者を輩出した。

概要

安藤年山の随筆『年山紀聞』などによると、伏見宮邦輔親王の子・邦茂王丹波国桑田郡小口村(尾口村)に下向し、外祖父・安藤宗実の姓である安藤を名乗ったのが始まりである。江戸時代に朝廷において書き継がれた『詰所系図』には、邦輔親王の子に「邦茂(隠遁者)」とあり、邦茂王は実在したことがわかる。安藤氏側の資料によると、邦茂王は長松軒惟翁と称し、丹波国に下向して安藤惟実と改名したとされる。しかし『詰所系図』には上記のことについて記されていない。同系図には邦輔親王の祖父・邦高親王の子に「僧惟翁(号長松院(長松軒))」がいたと記されている。これらのことから、安藤氏側の資料以外に安藤氏の家祖を邦茂王とする資料は存在しない。ただし、赤坂恒明は、『忠利宿禰記』に記された貞致親王の出生の記録[注釈 1]と安藤氏側の資料に矛盾がないことから、貞致親王が伏見宮家の血を引いていること自体は肯定できるとしている[2]

邦茂王には安藤定実と安藤定元の2子がいたとされる。定元の娘・安藤定子は貞清親王の手がつき、伏見宮第13代当主・貞致親王を産んだ。定実の子・安藤了翁藤原惺窩に師事し、伏見宮家に仕えた。了翁の子・安藤朴翁冷泉為景木下勝俊和歌を学び、子の安藤抱琴・安藤年山は儒学者として活躍した。

参考文献

  • 赤坂恒明「刀鍛冶の徒弟であった御落胤、伏見宮貞致親王」渡邊大門編『歴史が拓く未来』(歴史と文化の研究所、2021年1月)

脚注

  1. ^ 吉岡眞之、藤井讓治、岩壁義光編『四親王家実録 第Ⅰ期 伏見宮実録』第八巻(ゆまに書房、2015年)
  2. ^ 赤坂恒明「刀鍛冶の徒弟であった御落胤、伏見宮貞致親王」渡邊大門編『歴史が拓く未来』(歴史と文化の研究所、2021年1月)

注釈

  1. ^ 今日辰刻、伏見殿貞致親王宣下。次第。上卿先被遂著陣。藏人方吉書披見。辨賴孝(葉室)。吉書持參被返後、史下氣色如例。大史床子座有。請取氣色如例。追付陣儀。上卿(奧)。職事(賴孝)御名字下。今度御名字被書改由也。次上卿著端座。次以官人令敷軾。次以官人召辨(光雄(烏丸))。軾參御名字下給。於床子座前、史(利昭)給大史(忠利)。床子有請取之氣色如例。此間職事陣出テ、以權大納言藤原朝臣資行(柳原)貞致親王家可爲勅別當。職事退。次以官人召辨、仰云如職事。辨於床子座前史仰如職事。大史床子座有少史如例申之。次上卿以官人令撤軾、退出。上卿日野權大納言弘資卿。職事葉室左中辨賴孝。辨烏丸右少辨光雄。勅別當(【傍注】神宮傳奏也)柳原權大納言資行卿。左大史忠利。大外記師定朝臣。外記中原定慶。史小槻利昭。諸役人如例。巳刻退出、歸宅、宣旨調。貞致 右少辨藤原朝臣光雄傳宣。權大納言藤原朝臣弘資宣。奉 勅、宜爲親王者。萬治三年七月十七日 左大史兼主殿頭(算)博士小槻宿禰忠利(奉)權大納言藤原朝臣資行 右少辨藤原朝臣光雄傳宣。權大納言藤原朝臣弘資宣。奉 勅、件人宜爲貞致親王家別當者。 萬治三年七月十七日 左大史兼主殿頭(算)博士小槻宿禰忠利(奉) 如此宣旨貳通調。親王ノ宣旨、伏見殿亭へ持參。(中略)貞致親王は伏見殿□□親王の御子、丹波国□□と云所へ養子と成給、十二三ノ時西陣理忠(理力)と申鍛冶の弟子に御成十八歳迄名長九朗と申、今度御跡目之故吟味有之、再度世に出給事也、鍛冶も事外きょうの由取沙汰之、不思議之沙汰有之、委細重而可注事也、万事久我右大将廣通卿指南後見有之、邦道親王の御舎兄之由也、下戚之由也。(『忠利宿禰記』萬治三年七月十七日庚午[1]



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