天神橋 (越辺川)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 天神橋 (越辺川)の意味・解説 

天神橋 (越辺川)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/24 04:48 UTC 版)

天神橋(てんじんばし)は埼玉県坂戸市大字赤尾と同県比企郡川島町大字吹塚の間を流れる越辺川に架かる、埼玉県道74号日高川島線の道路である。

概要

現行の橋は1978年昭和53年)に架けられたもので、越辺川の終点からおよそ4.8 kmの地点に架かる[1]橋長218.1メートル、総幅員10.5メートル、有効幅員9.8メートル(車道7メートル、歩道2メートル[2])最大支間長43.6メートルの5径間合成鈑桁橋[3][4]である。歩道は下流側のみに設置されている。両側の取り付け道路(アプローチ区間)の斜路盛土で、右岸側は362メートル、左岸側は274.4メートルとなっている[2]。堤防天端の道路は左岸上流側のみアクセス不能となっている。 東武バスウエストの路線バスの経路(若01系統)に指定されている[5]。最寄りのバス停留所は川島側にある吹塚新田バス停で、坂戸側には天神橋下バス停もある[6]。越辺川における水位の測定地点(天神橋水位観測所)のひとつである[7]。また、埼玉県の第二次緊急輸送道路に指定されている[8]

歴史

明治時代初期頃にはこの場所に橋は架けられず、いつから存在していたか定かではないが「天神の渡し」と称される渡船場が設けられていた[9]。 明治初年の古文書(林家文書)に「渡船賃銭書上」や「造船届」などがあり、遅くとも明治初年頃までには存在していて、通行料が必要な渡船場と思われる[9]。『武蔵国郡村誌』赤尾村の項によると、坂戸道に属する船1艘を有する私渡と記されている[2]

大正初期に木橋(後の冠水橋)が低水路(河道)に架けられ、渡船場は廃止された。渡船場の遺構や痕跡は残存している[9]。川では西川材筏流しが行なわれていて、を橋に引っ掛けてしまい、弁償金を払ったという伝承もあった[9]。開通当時は入間郡勝呂村と比企郡中山村の間を結ぶ橋であったが、所謂昭和の大合併により、1954年(昭和29年)7月1日に勝呂村が坂戸町に、同年11月3日に中山村が川島村にそれぞれ発足した。

冠水橋の老朽化に伴い、現在の橋となる永久橋への架け替えに着手、冠水橋のすぐ川上側の位置に架設されることとなった。1973年(昭和48年)11月8日に工事の着工が行なわれ[2]1978年(昭和53年)完成、総工費は6億9000万円[注釈 1]であった[2]。開通式は1978年(昭和53年)12月26日に挙行された[2][10]。 旧橋は撤去されたが、ヘアピン状の線形の取付道路は河川敷に降りる道として両岸側ともに残されている。

周辺

左岸側は八幡団地などの住宅地や耕作地で、南東に少し離れた場所に工業団地(川島工業団地)がある。右岸側は川沿いの自然堤防上に民家などがあり集落を形成している以外は水田地帯である。橋の左岸上流側の堤防に彼岸花の群生地がある[11]。橋の下流側堤外地にはビオトープが整備されている[12]

  • 八幡神社 - 双体道祖神(川島町指定文化財)がある。
  • 金山彦神社
  • 諏訪神社
  • 光勝寺
  • 赤尾薬師堂
  • 赤尾中央集会所
  • 吹塚浄水場
  • 天神橋水位観測所

隣の橋

(上流) - 赤尾落合橋 - 越辺川水管橋 - 天神橋 - 八幡橋 - 越辺川橋 - (下流)

脚注

注釈

  1. ^ 『橋梁』 では事業費6億2300万円と記されている[3]

出典

  1. ^ 荒川上流河川維持管理計画【国土交通大臣管理区間編】”. 国土交通省関東地方整備局 荒川上流河川事務所. p. 107. 2022年6月8日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 『川島町史 地誌編 』 340頁。
  3. ^ a b 『橋梁』 49頁。
  4. ^ 「川」と「川を渡る橋」の情報と資料 - FR11埼玉県”. 中日本建設コンサルタント (2018年2月). 2022年5月29日閲覧。
  5. ^ 4/1【若03】若葉駅〜八幡団地〜川島町役場線の系統廃止等について”. 東武バス (2022年3月18日). 2022年3月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月29日閲覧。
  6. ^ 東武バスウェスト川越営業事務所・坂戸営業所管内バス路線図 (PDF) - 東武バス (2022年4月1日).
  7. ^ 水文水質観測所情報 - 国土交通省 水文水質データベース. 2022年5月29日閲覧。
  8. ^ 埼玉県の緊急輸送道路 - 埼玉県ホームページ(2021年6月23日)、2022年5月29日閲覧。
  9. ^ a b c d 『歴史の道調査報告書第九集 入間川の水運』 41-42頁。
  10. ^ 坂戸市 総合政策部 情報政策課: “統計坂戸(令和元年度版)” (PDF). 坂戸市. p. 230 (2021年3月). 2022年5月29日閲覧。
  11. ^ 彼岸花”. 川島町. 2016年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月29日閲覧。
  12. ^ 越辺川ビオトープ”. 荒川上流河川事務所. 2022年7月6日閲覧。

参考文献

関連文献

  • “入間川、荒川中流も刻々増水 提外農作物冠水す 天神橋取外し”. 埼玉新聞 (埼玉新聞社): p. 2. (1948年6月21日) 
  • “勝呂村天神橋改修”. 埼玉新聞 (埼玉新聞社): p. 2. (1950年5月4日) 
  • “危い制限無視 腐朽甚しい坂戸の天神橋”. 埼玉新聞 (埼玉新聞社): p. 4. (1957年6月28日) 

外部リンク

座標: 北緯35度59分19.79秒 東経139度26分11.92秒 / 北緯35.9888306度 東経139.4366444度 / 35.9888306; 139.4366444




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  天神橋 (越辺川)のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「天神橋 (越辺川)」の関連用語

天神橋 (越辺川)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



天神橋 (越辺川)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの天神橋 (越辺川) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS