変わる判例の流れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 03:54 UTC 版)
「全農林警職法事件」の記事における「変わる判例の流れ」の解説
全逓東京中郵事件以前は、「公共の福祉」論、「全体の奉仕者」論に基づき、公務員の労働基本権の制約を広く認めるのが判例の動きだった。全逓東京中郵事件判決は、公務員の労働基本権を認め、基本権の制限規定を限定解釈しようとしたものである。この流れは、東京都教組事件にも引き継がれた。しかしながら、本判決は、公務員の労働基本権は認めたものの、判例の流れを一転させ、全逓東京中郵事件以前の、広く労働基本権の制限を正当と認めるものとなった。本判決に学説は批判的である。 その後、1977年5月に「全逓名古屋中郵事件」で、全逓東京中郵事件の判例が変更され、前年の1976年5月に「岩教組学テ事件」(全国学力テストを批判する日教組組合員の岩手県の教師達が実施を阻止しようとした事件。旭川学テ事件を参照)で東京都教組事件の判例が変更され、現在に至る。どちらも大法廷である。近年、ILO勧告により公務員の労働基本権の改善が求められているが、現在のところ公務員法改正に向けて目立った動きはない。
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