墓泥棒と失われた女神
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/17 00:34 UTC 版)
墓泥棒と失われた女神 | |
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La chimera | |
監督 | アリーチェ・ロルヴァケル |
脚本 | アリーチェ・ロルヴァケル |
製作 | カルロ・クレスト=ディナ パオロ・デル・ブロッコ |
出演者 | ジョシュ・オコナー カルロ・ドゥアルテ ヴィンチェンツォ・ネモラート アルバ・ロルヴァケル イザベラ・ロッセリーニ |
撮影 | エレーヌ・ルヴァール |
編集 | ネリー・ケティエ |
製作会社 | テンペスタ ライ・チネマ アド・ヴィタム Amka Films Productions アルテ・フランス・シネマ RSI Radiotelevisione Svizzera SRG SSR |
配給 | ![]() ![]() ![]() ![]() |
公開 | ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
上映時間 | 131分 |
製作国 | ![]() ![]() ![]() |
言語 | イタリア語 英語 フランス語 ポルトガル語 |
製作費 | €9,600,000[1] |
興行収入 | ![]() |
『墓泥棒と失われた女神』(はかどろぼうとうしなわれためがみ、La chimera)は2023年のイタリア・フランス・スイスの犯罪ファンタジー映画。監督はアリーチェ・ロルヴァケル、出演はジョシュ・オコナーとカルロ・ドゥアルテなど。1980年代のイタリアのトスカーナ地方を舞台に、どこかへ消えた恋人と古代の宝物をさがし求める墓泥棒たちが織り成す不思議な人間模様を夢幻的なタッチで描いた幻想譚[3]。
本作は第76回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、最高賞のパルム・ドールを競った[4]。
ストーリー
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この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。
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1980年代のイタリア、考古学愛好家であるイギリス人のアーサーはトスカーナ地方のある田舎町に舞い戻ってきた。彼は古代エトルリア人の墓を発見できるという謎の超能力を持っており、その力を利用して美術品を盗掘した罪で刑務所に投獄されていたのである。アーサーは婚約者ベニアミーナの母親フローラの屋敷を訪れる。ベニアミーナは失踪中であり、フローラもアーサーに彼女を見つけてくれることを期待している。
出所後も仲間たちとともに懲りずに埋葬品の盗掘にいそしむアーサーたち。ある晩、彼らは手つかずの状態で残されていた地下遺跡を発見する。そこには美しい大理石の女神像が眠っていた。アーサーたちはこの女神像を売りさばこうとするが、やがては闇市場をも巻き込んだ騒動へと発展していく[5]。
キャスト
- アーサー:ジョシュ・オコナー
- イタリア:カルロ・ドゥアルテ
- ピッロ:ヴィンチェンツォ・ネモラート
- スパルタコ:アルバ・ロルヴァケル
- フローラ:イザベラ・ロッセリーニ
- メロディ:ルー・ロワ=ルコリネ
製作
監督のアリーチェ・ロルヴァケルは本作を『夏をゆく人々』(2014年)、『幸福なラザロ』(2018年)に続く、我々の過去との繋がりを繙く三部作の最終作として企画した[6]。
主演のジョシュ・オコナーは監督の前作『幸福なラザロ』を観て感銘を受け、熱烈な逆オファーの手紙を送ったことがきっかけでキャスティングされた[7]。
ロルヴァケルは本作を撮る上でインスピレーションを受けた作品として以下の5作品を挙げている[8]。
- 『イタリア旅行』(1953年、ロベルト・ロッセリーニ監督)
- 『フェリーニのローマ』(1972年、フェデリコ・フェリーニ監督)
- 『サンド・バギー ドカンと3発』(1975年、マルチェロ・フォンダート監督)
- 『冬の旅』(1985年、アニエス・ヴァルダ監督)
- 『アッカトーネ』(1961年、ピエル・パオロ・パゾリーニ監督)
評価
映画批評集積サイトRotten Tomatoesには143件のレビューがあり、批評家支持率は94%、平均点は10点満点中8.3点となっている。サイトによる批評家の見解の要約は、「『墓泥棒と失われた女神』は突飛であり得ないものを追い求めてはいるが、このアリーチェ・ロルヴァケルによる驚くべき魔法のような物語は一見に値するありえない夢である」となっている[9]。
受賞歴
- 第95回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞外国語映画トップ5選出
- 第36回ヨーロッパ映画賞美術賞受賞
- 主演男優賞(ジョシュ・オコナー)ノミネート
- ナストロ・ダルジェント賞助演女優賞(イザベラ・ロッセリーニ)/グリエルモ・ビラーギ賞受賞
- 作品賞/監督賞/脚本賞/衣装デザイン賞ノミネート
- シカゴ国際映画祭最優秀撮影賞/最優秀アンサンブル・キャスト・パフォーマンス賞受賞
出典
- ^ “La chimera” (英語). IMDb. 2025年7月17日閲覧。
- ^ “La Chimera” (英語). Box Office Mojo. 2025年7月17日閲覧。
- ^ “墓泥棒と失われた女神”. WOWOW. 2025年7月17日閲覧。
- ^ “The films of the Official Selection 2023” (英語). Festival de Cannes (2023年4月13日). 2025年1月2日閲覧。
- ^ “映画『墓泥棒と失われた女神』オフィシャルサイト”. 映画『墓泥棒と失われた女神』オフィシャルサイト. 2025年1月2日閲覧。
- ^ Vivarelli, Nick (2022年2月14日). “‘The Crown’ Star Josh O’Connor, Isabella Rossellini Set for Alice Rohrwacher’s ‘La Chimera’ (EXCLUSIVE)” (英語). Variety 2025年1月2日閲覧。
- ^ 「ジョシュ・オコナー、監督は「仲の良い友人であり姉のような存在」『墓泥棒と失われた女神』コメント&予告」『シネマカフェ』2024年5月31日。2025年1月2日閲覧。
- ^ Sciences, Academy of Motion Picture Arts and. “'La Chimera' Director Alice Rohrwacher's Top 5” (英語). Academy Newsletter. 2025年1月2日閲覧。
- ^ “La Chimera”. Rotten Tomatoes (英語). 2025年1月2日閲覧.
外部リンク
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