噴火様式の違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 22:43 UTC 版)
864年貞観噴火と1707年宝永噴火の噴出物の化学組成は玄武岩質でほぼ同じである。しかし、噴火様式は大きく異なり、864年貞観噴火が溶岩流で1707年宝永噴火はプリニー式噴火の爆発的噴火であった。この2つの噴火様式を分けたのは、マグマの脱水過程、噴火機構に違いがあったものと考えられている。 具体的には、玄武岩質噴出物中の斜長石の高圧下(約195MPa)のリキダス温度付近での溶解実験と結晶組織の分析から、864年貞観噴火は上昇したマグマはマグマ溜まりで若干の時間滞留し、脱水及び発泡と脱ガスが行われ新たなマグマが供給された後に噴出をした。また、1707年宝永噴火は地下20Km付近のマグマが滞留することなく上昇したため、脱水・発泡・脱ガスがほとんどなく、結果的に爆発的な噴火となった。
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