唄入り観音経とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 唄入り観音経の意味・解説 

唄入り観音経

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/26 04:47 UTC 版)

唄入り観音経(うたいりかんのんきょう)は、浪曲の演目。 三門博の代名詞的作品で「遠くちらちら灯りがゆれる あれは言問こちらをみれば」の歌い出し(外題付け)で知られる。レコードは昭和16年(1941年)にキングレコードから発売されたが、涙と笑いを巧みにとりまぜ、中京節に新内を取り入れた節調は、全国で200万枚を超える空前のヒットとなる。相三味線は鈴木りゅう。のちに戦後の昭和37年に浪曲で初の芸術祭奨励賞を受ける[1]

内容

奥州(東北地方)の白石近在の老百姓甚兵衛が江戸に出るが、領主に納めるべき村の年貢金50両をすり盗られ、悩んだ末に大川(隅田川)で身投げを図るが、そこに現れた凶状持ちのヤクザ木鼠吉五郎によって一命を救われる。その恩義に報いるため、甚兵衛は読み覚えた観音経の一節を唱え続け、木鼠が捕らわれないことを祈る。それが村中からついには奥州中で流行り唄になる、というあらすじである。寿々木米若の「佐渡情話」と双璧をなす人情浪曲の傑作であるが、「佐渡情話」と同様に、特定のタネ本も台本作者もなく、三門自身がほぼ独自に創り上げた物語だった。軍国主義に同調して堅苦しい浪花節が多かった当時の時局からすれば、型破りともいうべき<三門節>は、娯楽に餓えていた国民に爆発的に受け入れられた。

関連項目

脚注




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「唄入り観音経」の関連用語

唄入り観音経のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



唄入り観音経のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの唄入り観音経 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS