和田の吸引領域
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/08 23:07 UTC 版)
和田の性質を持つ自然な例を得るには、例えば三次方程式 z3 − 1 = 0 を考えればよい。この方程式は三つの解 z = 1 , − 1 ± 3 i 2 {\displaystyle z=1,\ {\frac {-1\pm {\sqrt {3}}i}{2}}} を持つ。方程式の解を近似的に求める方法としてニュートン法があるが、三つの解のうちどれが求まるかは、最初にランダムに選んだ複素数に依存する。求まる解によって、複素数平面上の複素数を色分けすると、右の図が得られる。この3つの領域は、和田の性質を持つ。ただし、和田の湖とは異なり、3つの領域はどれも連結ではなく、それどころか無限個の部分に分かれている。この例は、和田の吸引領域と呼ばれるもののうち、最も単純な例である。 なお、境界上の点は、ニュートン法では(ゼロ除算が生じるなどして)解が求まらない初期値であることを意味する。ほんの少しずらせば解が求まるようになるが、3つの領域が和田の性質を持つということは、ずらし方がほんの少し変わるだけで得られる解が3通りに変わってくることを意味する。これはカオス理論が主に題材とする典型的な現象である。
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