呼吸粘膜上皮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/19 06:17 UTC 版)
肺と同様に咽頭の腹壁が陥入して盲管を成したものが起源であるため、呼吸粘膜上皮は、消化管と同様に内胚葉性のものである。 呼吸粘膜上皮は、気管・気管支・細気管支においては偽重層円柱線毛上皮と呼ばれる組織像を示すが、末梢に行くに従って、細胞の高さが低くなっていき、終末細気管支のレベルでは単純な線毛立方上皮となる。さらに呼吸細気管支においては線毛も消失し、扁平なI型肺胞上皮細胞に置き換わる。 偽重層円柱線毛上皮は、下記の4種の細胞が基底板上に配置されることで構成される。 円柱線毛上皮細胞(Columnar ciliated cells)細胞の頂部は管腔に達しており、この部分には線毛がある。線毛は、協調運動によって、粘液の連続した流れをつくり出し、気道内に侵入した異物を排除する役割がある。組織の30%を占める。 杯細胞(Goblet cells)分泌顆粒を有し、エキソサイトーシスによって、内腔に粘液を分泌して、気道内を適切な湿度に保つ役割を有する。気管・気管支においては組織の30%を占めるが、細気管支以降においては見られなくなる。 クララ細胞(Clara cells)単なる粘液分泌だけでなく、肺サーファクタントや、塩素イオンの代謝をになっている。杯細胞にかわって、細気管支以降において出現する。 基底細胞(Basal cells)基底膜より発するが、管腔には達しない。組織の30%を占める。
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