名優の芸談
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 13:56 UTC 版)
「団七の役は夏芝居らしくサッパリとしている中に、上方の芝居らしい粘りと曲な動きの面白みを見せなければならず……住吉前(鳥居前)の牢払いのむさくるしい姿から、二度目の床屋から出る浴衣姿との対照が。お客様をアッと云わせる様にガラリと変わらなければ面白くありません。と云って、その二つが別人の様であってもいけず、これも厄介です」(初代中村吉右衛門) 「(長町裏の殺陣は)すべて極まった形が手綺麗に行かぬと、この場の団七になりません。それと義平次をやっていただく方とイキの合うこと。イキが合わねば形が崩れてしまいます。…それから…この立ち回りの間、とかく義平次の手先きや着物に塗った泥が団七の顔や着物に付着がちですので、なるべくそれをつけぬよう気を配りながら形をつけねばなりませんが、これも、この場の団七の苦心の一つでございます」(二代目實川延若)
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