半双線型形式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/02 07:12 UTC 版)
数学の特に線型代数学における複素ベクトル空間 V 上の半双線型形式(はんそうせんけいけいしき、英: sesquilinear form; 準双線型形式[1])とは、写像 V × V → C で一方の引数に関して線型かつ他方の引数に関して反線型となるようなものを言う。名称は「1 と 1/2」を意味するラテン語の倍数接頭辞 sesqui- に由来する。これと対照して、双線型形式は両引数に関して線型であることを意味するが、特に専ら複素数体上の空間を扱うような多くの文献において、半双線型形式の意味で「双線型形式」と呼ぶものがある。
動機付けとなる例は複素ベクトル空間上の内積で、これは双線型ではないがその代わり半双線型である。後述の幾何学的動機付けの節も参照。
定義と慣習
何れの引数に関して線型とするかの慣習には異なる流儀が存在するが、本項では第一引数は反線型(つまり共軛線型)で、第二引数に関して線型であるものとする。これは物理学(の、本質的にはどこでもだが、もとは量子力学におけるポール・ディラックのブラケット記法)で用いられる規約である。一方で数学分野ではこれと反対に書くことが習慣づいている[要出典]。
具体的に、写像 φ: V × V → C が半双線型であるとは、
Weblioに収録されているすべての辞書から半双線型形式を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- 半双線型形式のページへのリンク