十和田観光電鉄ED300形電気機関車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/09 23:18 UTC 版)
十和田観光電鉄ED300形電気機関車(とわだかんこうでんてつED300がたでんききかんしゃ)は、十和田観光電鉄にかつて在籍していた直流用電気機関車である。
概要
1951年(昭和26年)、十和田鉄道線が762mmから1,067mmに改軌されるのと同時に直流1,500Vにより電化された際に、車両置き換えのため日立製作所笠戸工場でED301の1両が新造された。形式番号の「30」は、運転整備重量が30tであることに由来し、動軸数4の電気機関車の1号機であることから、ED301と名づけられたものである[1]。
同時期に十和田鉄道が購入した同社製の電車モハ2400形・クハ2400形とモーターやブレーキの部品が共通で、尾灯脇にはクハ2400形牽引用のジャンパー栓(電灯電源用)を設置している。これはメンテナンスの効率化・軽減化のためという。
当初は貨物列車以外に、混合列車[2]に運用されていたが、モハ3400形の登場後は貨物専用となり、ED400形の就役後は予備機となった。台車が板台枠のため走行時の動揺が激しいことから、社内規定により最高速度は50km/hに制限されている。
1986年(昭和61年)の十和田観光電鉄の貨物輸送廃止後は、2012年(平成24年)の廃線まで除雪および工事用として運用された。
主要諸元
- 全長:10,850mm
- 全幅:2,515mm
- 全高:3,780mm
- 運転整備重量:30.0t
- 電気方式:直流1500V(架空電車線方式)
- 軸配置:B-B
- 主電動機:HS-226CY 90.0kW×4基
脚注
参考文献
- 寺田裕一『私鉄機関車30年』JTBパブリッシング〈JTBキャンブックス〉、2005年。ISBN 4-533-06149-4。
- 鉄道ピクトリアル 1997年4月臨時増刊号・特集「東北地方のローカル鉄道」
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