国鉄7500形蒸気機関車
(北海道官設鉄道B6形蒸気機関車 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/03/29 03:28 UTC 版)
7500形は、かつて日本国有鉄道の前身である鉄道院、鉄道省に在籍したテンダ式蒸気機関車である。
概要
元は、北海道官設鉄道がアメリカのボールドウィン・ロコモティブ・ワークスから1903年(明治36年)に4両(製造番号23090, 23114, 23129, 23130)、1904年(明治37年)に2両(製造番号24458, 24459)を輸入した、車軸配置2-6-0(1C)単式2気筒の飽和式機関車である。メーカーにおける種別呼称は8-26D。1905年の北海道官設鉄道の国有鉄道への編入にともなって、国有鉄道籍を得たものである。北海道官設鉄道時代はB6形と称し、番号は1903年製は27 - 30、1904年製は34, 35であったが、官設鉄道(鉄道作業局)編入後はEf形と称した。1909年(明治42年)の鉄道院の車両形式称号規程制定にともなって、7500形(7500 - 7505)と改番された。この際、7270形に編入されるべき汽車製造製の2両(B8形36, 37)が誤定により本形式に編入された(7506, 7507)が、直ちに訂正された。
形態的には典型的アメリカ古典機スタイルで、機関車部分は先行するB5形(鉄道院7300形)よりやや大型である。ボイラーは第3缶胴で急に太くなったワゴントップ式で第2缶胴上に砂箱、第4缶胴上に蒸気ドームが設置されている。また、当初から電灯式の前照灯を装備しており、運転室前のボイラー上に蒸気タービン式発電機を備えていた。炭水車の台車は3軸片ボギー式で、ボギー台車は釣合梁式である。
当初の使用線区は釧路線を除く北海道官設鉄道全線で、客貨両用に使用された。国有化後は名寄に集められていたが、その後は入換用として旭川に配置、1933年(昭和8年)頃には5両が函館、1両(7501)は旭川であった。1937年(昭和12年)1月に7501が廃車されたが、1941年(昭和16年)には7502と7505が苗穂の配置となっていた。これらは太平洋戦争後まで国有鉄道の籍にあり、最終的には釧路の配置となっていた。7500を除く4両は1948年(昭和23年)1月、7500は1949年(昭和24年)3月に廃車となった。
主要諸元
- 全長 : 14,339mm
- 全高 : 3,747mm
- 最大幅 : 2,642mm
- 軌間 : 1,067mm
- 車軸配置 : 2-6-0(1C)
- 動輪直径 : 1,219mm
- 弁装置 : スチーブンソン式アメリカ形
- シリンダー(直径×行程) : 406mm×508mm
- ボイラー圧力 : 11.3kg/cm²
- 火格子面積 : 1.40m²
- 全伝熱面積 : 90.4m²
- 煙管蒸発伝熱面積 : 81.1m²
- 火室蒸発伝熱面積 : 9.3m²
- ボイラー水容量 : 3.4m³
- 小煙管(直径×長サ×数) : 51mm×3175mm×160本
- 機関車運転整備重量 : 40.10t
- 機関車空車重量 : 35.91t
- 機関車動輪上重量(運転整備時) : 34.42t
- 機関車動輪軸重(第2動輪上) : 12.32t
- 炭水車運転整備重量 : 22.76t
- 炭水車空車重量 : 11.68t
- 水タンク容量 : 9.1m³
- 燃料積載量 : 2.54t
- 機関車性能
- シリンダ引張力 : 6,540kg
- ブレーキ装置 : 手ブレーキ(炭水車のみ)、空気ブレーキ
参考文献
- 臼井茂信「日本蒸気機関車形式図集成」1969年、誠文堂新光社刊
- 臼井茂信「機関車の系譜図 1」1972年、交友社刊
- 金田茂裕「形式別 国鉄の蒸気機関車 III」1985年、機関車史研究会刊
- 沖田祐作「機関車表 国鉄編I」レイルマガジン 2008年9月号付録
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