勝呂医師
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/04 04:18 UTC 版)
『海と毒薬』の主人公であり、この小説においても中心的な人物。設定は『海と毒薬』の後になっており、勝呂は既に刑期を終えて社会復帰している。新宿で寂れた開業医をしており、技術は悪くは無いがぶっきらぼうな医師として周囲に認識されている。過去を引きずり、虚無的に家族も持たず日々を生きていた。人工妊娠中絶を隠れて希望する患者の受診が多く、勝呂は本心では自分と患者の行為を憎みつつも過去の業を背負う人間の役目かのように殺人をこなしていく。ガストン・ボナパルトの性格を好意的に捉えており、彼の連れてくる末期癌の患者であるナベさんに終末治療を施す。ナベさんに安楽死を乞われ続けて当初は断っていたが、絶望的な苦しみから救うために祭りの日に穏やかな死を与える。新聞記者の折戸に過去とその安楽死を嗅ぎつけられ、追い詰められる。
※この「勝呂医師」の解説は、「悲しみの歌」の解説の一部です。
「勝呂医師」を含む「悲しみの歌」の記事については、「悲しみの歌」の概要を参照ください。
- 勝呂医師のページへのリンク