功徳の伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/04/07 10:19 UTC 版)
むかし元魏の定州(現在の河北省)に孫敬徳という人がいた。彼は応召兵で、北方の警護に就いている時に観音菩薩像を作り礼拝する信心者だった。しかし無実の罪で捕まってしまう。斬首の刑が執行されることが決まる中、孫敬徳は獄中で観音菩薩に深く祈りを捧げているうちに眠ってしまった。彼は一人の沙門が『高王観音経』を千度唱えればこの窮地から救われる、と告げられる夢を見た。孫は夢で見たことを実行する。次の日、刑場に立たされ、あわや、という瞬間にちょうど千度目の読謡を終えた。すると彼は死を免れることができた。 この話は『高王白衣観音経霊験利益』というご利益譚でも取り上げられ、『高王白衣観音経』と共に経本に収録され、流通している。『高王白衣観音経霊験利益』の記載によれば孫敬徳の首を断とうとした刀は三つに折れてしまったという。『高王白衣観音経霊験利益』には孫敬徳の例以外の、中国や日本での様々な霊験譚も記されている。
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