劉隆とは? わかりやすく解説

劉隆

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/12 09:44 UTC 版)

劉 隆(りゅう りゅう、? - 57年)は、後漢の武将。元伯(げんはく)。長沙定王劉発の子の一人である安衆康侯劉丹の子孫の安衆侯劉㱈・劉崇の一族(『後漢書』列伝12・本伝)[1]光武帝の功臣であり、「雲台二十八将」の第16位に序せられる(『後漢書』列伝12)。

略歴

姓名 劉隆
時代 代 - 後漢時代
生没年 生年不詳 - 57年建武中元2年)
字・別号 元伯(字)
本貫・出身地等 荊州南陽郡安衆侯国
職官 騎都尉〔更始→劉秀(後漢)〕

→誅虜将軍〔後漢〕→南郡太守〔後漢〕
中郎将〔後漢〕
驃騎将軍兼行大司馬事〔後漢〕

爵位・号等 亢父侯〔後漢〕→竟陵侯〔後漢〕

→扶楽郷侯〔後漢〕→長平侯〔後漢〕
→慎侯〔後漢〕→慎靖侯〔没後〕

陣営・所属等 更始帝→劉秀(光武帝
家族・一族 父:劉礼、子:劉安

30歳前後にして長安で学んだ[2]更始帝こと劉玄より騎都尉に任命されるが、更始2年(24年)、劉秀が河内にいることを聞き付け、直ちに合流して騎都尉を拝命した。馮異とともに洛陽の劉玄軍と対峙した。

建武2年(26年)、亢父侯に封ぜられた。呉漢に率いられ、の近郊で農民反乱集団の檀郷を討った。

建武4年(28年)、誅虜将軍を拝命し、淮南で称帝した李憲を討ち平らげた。また、荊州の武当で屯田した。

建武11年(35年)、公孫述を攻める岑彭の上書により南郡太守となり、一年余りで将軍の印綬を返上した。

建武13年(37年)、食邑を加増され、竟陵侯に封ぜられた。この頃、全国の地方官が当地の豪族と結託し、墾田・戸籍について不実申告をなすことが横行していた。建武16年(40年)、劉隆も不実申告の罪に坐した。同罪の十数人は死罪となったが、劉秀は隆の功績により許して庶人の身分とした。

建武17年(41年)、また封ぜられて扶楽郷侯となった。中郎将に任命され、伏波将軍・馬援の副将として交阯徴姉妹を撃つ。徴弐を捕らえ、斬首千余級、2万余人を降す。帰還すると長平侯に封ぜられた。

劉隆

建武20年(44年)、大司馬の呉漢が逝去し、劉隆が驃騎将軍として大司馬を代行した。法に則って務めること8年、将軍の印綬を返上して辞職した。列侯として朝請を奉じた。

建武30年(54年)、慎侯に封ぜられた。

建武中元2年(57年)、逝去し、靖侯と諡された。

人柄・逸話

  • 居摂元年(6年)、劉隆の父の劉礼は劉崇とともに王莽討伐の兵を挙げたが、露見して罪に坐した。劉隆は7歳に達していなかったために許された。
  • 劉玄に属していた頃、劉隆は休暇を請い妻子を洛陽に置いた。劉秀に合流した際には妻子を帯同せず、そのため妻子は守将の李軼李通の従弟)に殺された。

脚注

  1. ^ 『後漢書』巻22、朱景王杜馬劉傅堅馬列伝第12、劉隆伝。
  2. ^ 『後漢書』の記述。居摂1年=西暦6年に6歳なれば、30歳になるのは西暦30年になり、西暦6年に1歳なれば、30歳になるのは西暦35年になり、劉玄から騎都尉に任じられるのが西暦24年以前なれば、この記述は誤りである。

参考文献

  • 范曄著、『後漢書』。
    • 中央研究院・歴史語言研究所「漢籍電子文献資料庫」。
    • 岩波書店『後漢書〈第3冊〉列伝(1) 巻一〜巻十二』2002/5/29 范曄(著), 吉川忠夫(著)




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