光子数と位相の不確定性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/30 01:47 UTC 版)
「コヒーレント状態」の記事における「光子数と位相の不確定性」の解説
光というひとつの電磁現象に対して、「波動として表現される古典的電磁場」と「粒子として表現される量子力学的な光子場」とでは記述法が全く異なっている。 波動的性質を表す量として位相 ϕ {\displaystyle \phi } を、粒子的性質を表す量として粒子数 n {\displaystyle n} を考えると、両者のゆらぎの間には次のような不確定性関係がある。 Δ n ⋅ Δ ϕ ≳ 1 {\displaystyle \Delta n\cdot \Delta \phi \gtrsim 1} 光子数と位相の不確定性より、古典的波動 Δ ϕ ≈ 0 {\displaystyle \Delta \phi \approx 0} に近い状態は光子数のゆらぎ Δ n {\displaystyle \Delta n} が非常に大きい。よってnで指定される量子状態を数多く重ねあわせることで古典的波動に近い状態が得られることが予想される。 ロイ・グラウバーは古典的電磁場 E cos ω t {\displaystyle \mathbf {E} \cos \omega t} や H sin ω t {\displaystyle \mathbf {H} \sin \omega t} に最も近い量子力学的状態(コヒーレント状態)の確率分布を、電場 E {\displaystyle \mathbf {E} } と磁場 H {\displaystyle \mathbf {H} } の間に存在する不確定性関係 | Δ E | | Δ H | ≳ c ℏ ω / 2 π V {\displaystyle |\Delta \mathbf {E} ||\Delta \mathbf {H} |\gtrsim c\hbar \omega /2\pi V} (Vは電磁場の平均値を求める際の体積)において等号が成立する条件から求めた。
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