他の細胞接着配列とインテグリン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 17:04 UTC 版)
「フィブロネクチン」の記事における「他の細胞接着配列とインテグリン」の解説
1984年、10番目のフィブロネクチンIII型モジュールのRGD配列が報告されたが、RGD配列は、モル比に換算した比活性では、フィブロネクチン分子全体の1/30の活性しかない。主要な活性部位は別があるのではないかと、第二の細胞接着活性部位が探索された。 1986年、NIH・国立がん研究所・ケネス・ヤマダ研究室のマーチン・ハンフリーは、RGD配列のあるIII10以外にIIICSのCS1部分に細胞接着部位を見つけ、最少配列をREDV配列(Arg-Glu-Asp-Val)と決定した。1991年、同研究室のコモリヤ・アキラ(Komoriya Akira)はIIICSのCS5部分の細胞接着配列をLDV配列(Leu-Asp-Val)と決定した。 さらに、9番目のフィブロネクチンIII型モジュールであるIII9に相乗作用効果があり、1つのフィブロネクチン分子に複数の細胞結合部位・調節部位があることがわかってきた。細胞結合部位・調節部位に対応するのは細胞表面のインテグリンであり、上記以外を含めて表に示す(表1)。 表1.フィブロネクチンの細胞結合配列と結合インテグリンモジュールアミノ酸配列インテグリンI5 NGR/isoDGR α5β1、αvβ3 III5 PRAQI/KLDAPT α4β1、α4β7 EIIIB AGEGIP 不明 III8 KNEED 不明 III9 PHSRN RGD部位の相乗作用効果 III10 RGD α5β1、αvβ3、αvβ5,αvβ6、 αvβ1,α3β1、α5β1、α8β1、αIIbβ3 EIIIA EDGIHEL α4β1、α9β1 III14 PRARI/IDAPS α4β1 IIICS(CS1) LDV α4β1、α4β7 IIICS(CS5) REDV α4β1、α4β7
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