事前確率と事後確率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/22 02:02 UTC 版)
事前確率と事後確率の関係は相対的なもので、事後確率を事前確率としてさらなる情報を付け足し、新しい事後確率を求めることができる。 事後確率の確率分布が事後確率分布(Posterior probability distribution)で、事後分布(Posterior)と略す。これは事前確率分布に尤度関数をかけ、これを正規化(合計値または積分値を1にする)して得られる。事前確率と事後確率は、古典的な頻度主義統計学では用いられない、ベイズ統計学の用語である。 たとえば f X ∣ Y = y ( x ) = f X ( x ) L X ∣ Y = y ( x ) ∫ − ∞ ∞ f X ( x ) L X ∣ Y = y ( x ) d x {\displaystyle f_{X\mid Y=y}(x)={f_{X}(x)L_{X\mid Y=y}(x) \over {\int _{-\infty }^{\infty }f_{X}(x)L_{X\mid Y=y}(x)\,dx}}} によって、データ Y=y が与えられた場合の変数 X に対する事後確率の分布密度関数が得られる。ただしここで f X ( x ) {\displaystyle f_{X}(x)} は X の事前確率分布 L X ∣ Y = y ( x ) = f Y ∣ X = x ( y ) {\displaystyle L_{X\mid Y=y}(x)=f_{Y\mid X=x}(y)} は x の関数としての尤度関数(データ Y=y が与えられた場合に、 X の値が x であると考えるもっともらしさを表す) ∫ − ∞ ∞ f X ( x ) L X ∣ Y = y ( x ) d x {\displaystyle \int _{-\infty }^{\infty }f_{X}(x)L_{X\mid Y=y}(x)\,dx} は正規化(積分値を 1 にするための)係数 f X ∣ Y = y ( x ) {\displaystyle f_{X\mid Y=y}(x)} は X の事後確率分布 である。このように、事前確率に証拠となる情報を加味してより確からしい事後確率を求めることをベイズ改訂(またはベイズ更新)といい、この方法を用いる推定をベイズ推定という。
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