不能や不定の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 00:24 UTC 版)
方程式系が、不能 (incompatible) であるとは解が存在しないことを言う。また不定 (indeterminate) であるとは、二つ以上の解を持つことを言う。線型方程式の場合(基礎体が無限体であるとすると)、それが不定な系ならば一つ以上の変数が任意の値を取り得るから、解は無数に存在する。 クラメルの法則は係数行列の行列式が 0 でない場合にしか適用できないから、2 × 2 の系で行列式の値に基づく不能や不定の場合とは相容れない。 3 × 3 あるいはより高次の系に対して、係数行列の行列式が 0 のときに言えるのは (クラメルの公式の)分子になっている行列式のどれか一つでも 0 でないならば、系は不能である。 ということだけである。逆は正しくなく、系が不能であっても全ての行列式が 0 になる場合がある。例えば x + y + z = 1, x + y + z = 2, x + y + z = 3 がそのような系である。
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