不採用技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 09:39 UTC 版)
当初はM-24モーターのノズルとして外装伸展・展開スラット型高開口比ノズルを採用することも考えられていた。これは、M-34の伸展ノズルと同様に4機の自己投棄式ダブル・リバース・ヘリカルスプリング伸展機構によってモーター点火後にノズルを伸展させ、さらにノズル内圧によって8枚のスラットを花弁状に展開、エクジット・コーンを形成するというものであり、展開後のノズル出口径はM-Vの機体直径である2.5mを大幅に越えるものとなる構想であった。また、ノズルスロート材としては2D-C/C複合材を用いる予定もあった。 上記の伸展機構に関して1991年7月24日に能代ロケット実験場で真空燃焼試験が行われた。1/8スケールモデルが装備されたTM-250E/EECモーターが用いられ、点火4秒後にノズルが伸展、さらにその1秒後にスラットが展開され、燃焼は正常に終了した。しかし、伸展力の設定値が過小であったため伸展動作は万全ではなかった。この真空燃焼試験によって外装伸展・展開スラット型高開口比ノズルシステムの成立性は実証されたが、実機には採用されなかった。
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