三陸鉄道36-500形気動車
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久慈駅構内留置中の36-500形(2009年12月)
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基本情報 | |
製造所 | 新潟鐵工所 |
主要諸元 | |
軌間 | 1067 mm |
車両定員 | 116名(座席56名)[1] |
自重 | 30.5t[1] |
最大寸法 (長・幅・高) |
18,500 × 2,848 × 3,845 mm[1] |
車体 | 鋼製[2] |
台車 | NP-116D(動力台車)[1] NP-116T(付随台車)[1] |
機関 | 新潟鐵工所 DMF13HZ[2][1] |
機関出力 | 330PS/2000rpm [2][1] |
変速機 | 液体式 新潟鐵工所 TACN-22-1600[2][1] |
変速段 | 変速1段・直結2段[2] |
搭載数 | 1[1]基 / 両 |
制動装置 | 常用:自動空気ブレーキ DE1A[3] 保安:電気指令式直通予備ブレーキ[3] 抑速:機関ブレーキ、排気ブレーキ[3] |
保安装置 | ATS-Ps・EB装置・列車無線装置 |
備考 | ワンマン運転対応、セミクロスシート、列車トイレ付、冷房搭載 |
三陸鉄道36-500形気動車(さんりくてつどうさんりく500がたきどうしゃ)は、かつて三陸鉄道に在籍した普通列車用気動車である。
概要
1994年(平成6年)2月22日に南リアス線甫嶺駅付近で発生した列車脱線転覆事故で廃車となった36-100・200形2両の補充として、同年12月に36-501の1両が新潟鐵工所で製造された[4]。
JR九州キハ125形タイプの軽快気動車ではあるが、車体塗装はアイボリーホワイト地に赤と青のストライプと、在来車である36-100・200形との混結を意識したものが採用された[2]。
車体は、車両前後に運転台と貫通扉を備え、片側2カ所に自動・半自動切り替え可能の客用扉を備えていた[2]。客室内は車体中央部にボックスシート、その他はロングシートの座席配置で、出入り口付近には車椅子スペース、宮古側の客用扉脇にトイレが設置されていた[2]。冷房は機関直結式のAU26(31,000 kca/h)、暖房は温水温風ファン方式(42,400 kcal/h)で、乗務員室に1基、客室内に6基のファンヒーターが備えられていた[2]。
機関はDMF13HZ、変速機は液体式のTACN-22-1600(変速1段直結2段)で共に新潟鐵工所製[3]。このうち、変速機は在来車との混結に対応するため、変速段と直結段の切り替えは手動となっていた(直結段の切り替えは自動)[3]。常用ブレーキはDE1A形の自動空気ブレーキで、応過重装置が備えられていた[3]。台車は空気ばね装備・2軸駆動[2]のNP-116で、動台車には落葉対策として砂まき装置が設置されていた[3]。
運用
1995年(平成7年)2月より運行を開始した[3]。主に北リアス線で運用されていたが、2009年(平成21年)3月に廃車となり、2012年(平成24年)11月に解体された。三陸鉄道の36-500形ですが、これって随分と短命に終わってます。
NDCシリーズの系統で産まれてますが、実際に営業稼働していたのは1995年2月から2009年3月までのわずか14ヶ年であり、今も現役の36-100・200形が30年以上も稼働しているのと比較してもかなり短いです。原因としては、これは、単に1両だけの異端形式だったためと推定されます。
1両のみ特殊な車両があると、他の車両と予備部品や保守部品の共通化が図れず、メンテナンスコストの増大につながります。
36-500は、事故で廃車された36-100の代替として1994年に1両が新製されましたが、その後の増備はありませんでした。
三陸鉄道では、経営合理化の一環として2009年に車両総数の削減を実施し、数両を廃車としました。その際に、車種統一のため1両のみの36-500も廃車対象に選ばれたのでしょう。
脚注
参考文献
- 『鉄道ピクトリアル』第45巻第10号(通巻612号)1995年10月臨時増刊号「新車年鑑1995年版」、鉄道図書刊行会、1995年。
- 藤井信夫・大畑哲海・岸上明彦「民鉄車両総説 各社別車両情勢」 pp. 86-101
- 金野淳一「三陸鉄道36形500番代」 pp. 102-103
- 「民鉄車両 車両諸元表」 pp. 182-184
- 寺田裕一『私鉄気動車30年』、JTBパブリッシング、2006年。ISBN 4-533-06532-5
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固有名詞の分類
日本の気動車 |
のと鉄道NT200形気動車 小田急キハ5000形気動車 三陸鉄道36-500形気動車 南部縦貫鉄道キハ10形気動車 いすみ鉄道いすみ100型気動車 |
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