一硫化ゲルマニウムとは? わかりやすく解説

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一硫化ゲルマニウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/05 19:15 UTC 版)

一硫化ゲルマニウム
識別情報
CAS登録番号 12025-32-0
PubChem 6367215
特性
化学式 GeS
モル質量 104.71 g mol−1
関連する物質
関連物質 一硫化炭素
一酸化ゲルマニウム
二硫化ゲルマニウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

一硫化ゲルマニウム(Germanium monosulfide)は、化学式GeSの無機化合物である。カルコゲン化物ガラスで、半導体である[1]。赤茶色粉末か黒色結晶となる[2]。乾燥時は空気中で安定であり、湿った空気中ではゆっくりと加水分解するが、水中では急速に反応し、水酸化ゲルマニウム(II)を経て一酸化ゲルマニウムを形成する[3]。真空中で分解せずに昇華する数少ない硫化物の一つである[4]

合成

クレメンス・ヴィンクラーにより、二硫化ゲルマニウムをゲルマニウムで還元することで初めて合成された[3]。他の方法には、水素ガス流中での還元[3]や過剰量の次亜リン酸での還元の後、真空中で昇華すること等がある[2]

構造

黒リンに似た層状構造である[2]。Ge-S間距離は、247から300 pmである[3]。気相では、Ge-S結合長は201.21 pmである[5]

出典

  1. ^ Sutter, Eli; Zhang, Bo; Sun, Muhua; Sutter, Peter (2019-08-27). “Few-Layer to Multilayer Germanium(II) Sulfide: Synthesis, Structure, Stability, and Optoelectronics”. ACS Nano 13 (8): 9352–9362. doi:10.1021/acsnano.9b03986. ISSN 1936-0851. PMID 31305983. https://www.osti.gov/biblio/1573814. 
  2. ^ a b c グリーンウッド, ノーマン; アーンショウ, アラン (1997). Chemistry of the Elements (英語) (2nd ed.). バターワース=ハイネマン英語版. ISBN 978-0-08-037941-8
  3. ^ a b c d E. G. Rochow, E. W. Abel ,1973, The Chemistry of Germanium Tin and Lead, Pergamon Press, ISBN 0-08-018854-0
  4. ^ Michael Binnewies, Robert Glaum, Marcus Schmidt, Peer Schmidt, 2012, Chemical Vapor Transport Reactions, De Gruyter, ISBN 978-3-11-025464-8
  5. ^ Lide, David R., ed (2006). CRC Handbook of Chemistry and Physics (87th ed.). Boca Raton, FL: CRC Press. ISBN 0-8493-0487-3 



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