レンネットによる乳凝固の原理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 23:42 UTC 版)
「レンネット」の記事における「レンネットによる乳凝固の原理」の解説
レンネットを加える前段階で、まず乳を乳酸発酵させる。無殺菌の乳では環境微生物中の乳酸菌により乳酸発酵が起こるが、殺菌乳では多くの場合、人為的に乳酸菌を加える。乳酸発酵した乳は酸性になり、カルシウムイオンが増加する。 乳中でカゼインなどの蛋白質 は−の電気を帯びており、互いに反発しあって凝集することはない。特にκカゼインはカルシウムイオンに対して安定で、このためカゼインミセルはこのままでは沈殿しない。 ここでレンネットを加えると、プロテアーゼであるレンニンがκカゼインに作用してその結合を切断する。結果、κカゼインは浮遊力を失って不安定になり、カゼインミセルから分離する。そして−の電気が弱まったカゼインミセル同士がカルシウムイオンを介してくっつき、脂肪球と共に沈殿凝固する。これが乳の凝固の原理である。
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