ルクレティア_(アルテミジア・ジェンティレスキ、ポツダム)とは? わかりやすく解説

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ルクレティア (アルテミジア・ジェンティレスキ、ポツダム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/18 22:32 UTC 版)

『ルクレティア』
ドイツ語: Lukrezia
英語: Lucretia
作者アルテミジア・ジェンティレスキ
製作年1645-1650年ごろ
種類油彩キャンバス
寸法261 cm × 226 cm (103 in × 89 in)
所蔵ポツダム新宮殿英語版ポツダム

ルクレティア』(: Lukrezia: Lucretia)、また『タルクイニウスとルクレティア』(: Tarquinius und Lukrezia: Tarquinius and Lucretia)は、イタリアバロック期の女性画家アルテミジア・ジェンティレスキが1645-1650年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である[1]。現在、ポツダムにあるポツダム新宮殿英語版の大広間に所蔵されている[2]古代ローマの執政官で将軍のルキウス・タルクィニウス・コッラティヌスの妻ルクレティアを描いた、アルテミジアによる3点の絵画のうちの1点である。ほかの2点は、ミラノの個人コレクションとロサンゼルスJ・ポール・ゲティ美術館に所蔵されている。

主題

ルクレティアは、美貌と謙虚さで知られる古代ローマのヒロインである。ティトゥス・リウィウスの『ローマ建国史』 (第1巻57-59節) によれば、彼女は夫のルキウス・タルクィニウス・コッラティヌスにより非常に貞淑な女性として称賛された。彼女は、夫の親戚で王の息子セクストゥス・タルクィニウスに抵抗すれば殺し、遺体を公衆の前に晒しものにすると脅された。不名誉を受けるリスクを避けるために彼女は彼の性的要求に屈し、凌辱されるが、後に夫と父親に凌辱されたことを伝え、自害した。そうすることで、彼女は (ローマの信条によれば) 自身の名誉と徳を保持したのである。彼女の自害によりローマでは反乱が起こり、王制ローマは終焉を迎え、共和制ローマが始まることとなった[3]

来歴

本作が最初に記録されているのは、1671年のパルマジャルディーノ宮殿英語版のコレクションにおいてである。1730年代まで、ほかの2点のアルテミジアの絵画『バテシバ』および『ユディトとその侍女』 (カポディモンテ美術館ナポリ) とともにファルネーゼ家のコレクションにあった[4]が、1730年代にカルロス3世 (スペイン王) がファルネーゼ家のコレクションを継承し、ナポリに新たに建てられたカポディモンテ美術館に搬送した[5]。その後、3点のアルテミジアの絵画のうちの2点『ルクレティア』と『バテシバ』は、1750年代にポツダムの新宮殿のためにフレデリック大王に購入された。『ユディトとその侍女』が大王に購入されなかったのは、男性に勝利する女性を表していたためポツダムの絵画館のテーマに合致しなかったからである[4]

ギャラリー

脚注

  1. ^ Google Arts & Culture entry”. 2025年2月18日閲覧。
  2. ^ Catalogue entry” (ドイツ語). 2025年2月18日閲覧。
  3. ^ Lucretia: Ancient Roman Heroine”. britannica.com. 12 February 2022閲覧。
  4. ^ a b Bissell 1999, p. 286.
  5. ^ Bissell 1999, p. 282.

参考文献

  • Bissell, R. Ward (1999). Artemisia Gentileschi and the Authority of Art : Critical Reading and Catalogue Raisonné. University Park, Pa.: Pennsylvania State University Press. ISBN 9780271017877 

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