ラスダシャン山とは? わかりやすく解説

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ラスダシャン‐さん【ラスダシャン山】


ラス・ダシャン山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/29 09:56 UTC 版)

ラス・ダシャン山
ራስ ዳሸን
西から見た山頂
最高地点
標高 4,550 m (14,930 ft) [1]
プロミネンス 3,997 m (13,114 ft) [2]
世界23位
アイソレーション 1,483キロメートル (921 mi)
総称 国内最高峰
ウルトラ・プロミネント峰
座標 北緯13度14分09秒 東経38度22分15秒 / 北緯13.23583度 東経38.37083度 / 13.23583; 38.37083座標: 北緯13度14分09秒 東経38度22分15秒 / 北緯13.23583度 東経38.37083度 / 13.23583; 38.37083[2]
地形
ラス・ダシャン山
所属山脈 シミエン山地
登山
初登頂 1841年、フランス人士官のフェレとガリニエによる
プロジェクト 山

ラス・ダシャン山アムハラ語:ራስ ደሸን rās dāshen(ラース・ダーシェン)「東風の防壁」[3]の意)は、エチオピアの最高峰、かつアフリカで4番目に高い山[4]ラス・ダシェン山ラス・デジェン山とも表記される。標高は4550m[1][4]。最も一般的なラス・ダシェンという呼称はアムハラ名のラス・デジェンが転じたもので、エチオピア製図局 (EMA) はこれを「皇帝の御前で戦う将軍」という意味だとしている[5]。エチオピアでは「ラス・デジェン」という呼び名が一般的である[4]

環境

エリック・ニルソンによれば、この山は「テケゼ川に合流する無数の峡谷によって北半分が何千メートルもえぐられた巨大火山」のへりの東端である。その西部にあたるビュアト山とのあいだには、メシャハ川の峡谷がある[5]。メシャハ峡谷には断崖絶壁がそびえるが、東面は比較的緩やかである[3]。語源の「東風の防壁」が意味する通り、山には強い風が吹き付ける[3]。山の一部はシミエン国立公園に含まれ、ゲラダヒヒワリアアイベックス英語版アビシニアジャッカルクリップスプリンガー、アビシニアハイラックス(Procavia capensis habessinicusケープハイラックスの亜種)などの希少種が生息している[4]

山頂は雪線よりやや下に位置する[6]。1841年、フランス人士官のフェレとガルニエがヨーロッパ人として初めて登頂に成功した。それ以前に土着民が登攀したという証拠はないが、山頂の気候や気象条件は比較的おだやかで、高所にも牧畜を営む村が存在する。12月から3月にかけての乾季が登頂に適し、6月から9月にかけての雨季の登頂は困難である[4]。山頂まで1時間もかからない標高4300m付近にある小さな砦では、19世紀に戦闘が起きた。

標高

1960年代から1970年代にかけて、国は製図測量調査を行い、ラス・ダシャン山の標高を4533mとした。本項では、標高を2005年のEMAの出版物と、それに1メートルしか違わない2007年のフランスとイタリアによるDGPS測位調査によった。しばしば4620mとも言われるが、現代のいかなる測量図やSRTMのデータにもこの値はみられない[1]

脚注

  1. ^ a b c "Africa Ultra-Prominences" According to Peaklist.org: "There is a high-divergence of published elevations for Ras Dejen (also spelled Ras Deshen or Ras Dashen). An Italian military survey measured it at 4620m, a height that is still often quoted.Peakware.com quotes this measurement A new elevation of 4,533m emerged from a 1970s triangulation survey.example: Peakbagger.comand Summitpost.org A subsequent Franco-Italian survey established a height of 4,550m."Peaklist footnote #2. See also Elevation misquotes. Retrieved 2012-09-02.
  2. ^ a b "Africa Ultra-Prominences" Peaklist.org. Retrieved 2012-09-02.
  3. ^ a b c 『コンサイス外国山名辞典』、571頁
  4. ^ a b c d e 藤本「ラスダシャン山」『世界地名大事典』3、1066頁
  5. ^ a b Erik Nilsson, "Traces of Ancient Changes of Climate in East Africa: Preliminary Report", Geografiska Annaler, 17 (1935), p. 13
  6. ^ 鈴木「ラスダシャン山」『世界地名大事典』8巻、1394頁

参考文献

  • 鈴木秀夫「ラスダシャン山」『世界地名大事典』8巻収録(朝倉書店, 1974年)
  • 藤本武「ラスダシャン山」『世界地名大事典』3収録(朝倉書店, 2012年11月)
  • 三省堂編修所編『コンサイス外国山名辞典』(三省堂, 1984年8月)

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