ヨセフとポティファルの妻 (ムリーリョ、1660年代)とは? わかりやすく解説

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ヨセフとポティファルの妻 (ムリーリョ、1660年代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/18 07:12 UTC 版)

『ヨセフとポティファルの妻』
スペイン語: José y la esposa de Potifar
英語: Joseph and Potiphar's Wife
作者 バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
製作年 1660年代
種類 キャンバス上に油彩
寸法 64 cm × 85 cm (25 in × 33 in)
所蔵 個人蔵

ヨセフとポティファルの妻』(ヨセフとポティファルのつま、西: José y la esposa de Potifar: Joseph and Potiphar's Wife)は、17世紀スペインバロック期の巨匠バルトロメ・エステバン・ムリーリョが1660年代にキャンバス上に油彩で制作した絵画で、画家が描いた数少ない『旧約聖書』主題の絵画のうちの1点である[1]。現在、個人蔵となっている[1][2]。なお、ムリーリョは、1640-1645年に別の『ヨセフとポティファルの妻』 (カッセル古典絵画館英語版) も描いている[1][2]

作品

『旧約聖書』中の「創世記」 (13章1-23) によれば、嫉妬深い兄弟たちに売られたヨセフがファラオの侍従長ポティファルに買われた物語が叙述されている。ヨセフはポティファルの信頼を得るも、彼の妻はヨセフが気に入り、彼を誘惑しようと試みた[2]

ムリーリョ『ヨセフとポティファルの妻』 (1640-1645年)、カッセル古典絵画館英語版

本作に描かれているのは、ヨセフがポティファルの妻に誘惑されて拒む場面である。ムリーリョの描写は演劇の場面を想起させ、2人は暗い背景の中、照明を浴びているかのようである[1]。ポティファルの妻は豪華に装飾されたベッドからから半裸で跳び上がり、左の方へ逃げ出そうとするヨセフを止めようとしている。彼女は、前に伸ばした腕でヨセフの黄色い衣服を掴んでいる。ヨセフは逃げのびるが、彼の衣服を手中にした彼女は夫のポティファルにヨセフに誘惑されたと告発し、怒ったポティファルはヨセフを投獄してしまう[1]

本作の全体的な情景はムリーリョが以前に描いた同主題作を想起させるが、本作はよりやわらかな描法、流麗な筆致、明るい色彩で制作されており、これは画家の1650年代以降の作品を特徴づけるものである[1]。一方、以前の作品に比べ、ポティファルの妻は三段腹になりそうな熟女として表現されている[2]。本作は、17世紀のスペイン絵画において裸体像を描いた非常に少ない作品のうちの1つである。当時のスペインでは、対抗宗教改革時代の教義異端審問官たちによって容赦なく実施されていた[1]

脚注

  1. ^ a b c d e f g Joseph and Potiphar's Wife”. Web Gallery of Artサイト (英語). 2025年9月6日閲覧。
  2. ^ a b c d 大島力 2013年、48-49頁。

参考文献

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