ミグマタイトの分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/16 10:42 UTC 版)
ミグマタイトを構成する花崗岩質の部分と変成岩質の部分を分類し、それぞれの部分に種々の名称がつけられている。例えば、花崗岩質で無色鉱物が濃集している部分をリューコゾーム(優白部、leucosome)という。変成岩質の部分は、研究者によりパレオゾーム(paleosome)あるいはメソゾーム(mesosome)といわれるが、リューコゾームとの境界に有色鉱物が濃集していることがあり(写真1・2参照)、この部分を特に区分しメラノゾーム(優黒部、melanosome)という。また、リューコゾームとメラノゾームは、後で新しく形成された部分と解釈し、両者をまとめてネオゾーム(neosome)と呼ぶこともある。 花崗岩質の部分と変成岩質の部分の分布は、互層状になっているものが褶曲してみられたり(写真1)、リューコゾームがブーダンネック(層がソーセージ状にちぎれた所)に濃集していたり(写真3)、様々な場合がある。このような両者の分布パターンによっても、種々の名称がつけられている。たとえば、層状(縞模様)に見えるものをストロマティックミグマタイトあるいは層状ミグマタイト(写真2)、漸移的に混在し境界不明瞭な状態になっているものをネビュライト(写真4)などという。 成因を考慮した上で付けられた分類名もある。例えば、変成岩の部分融解(アナテクシス、anatexis)が進行し、層状の組織や構造が乱され不連続になっているものをダイアテクサイト(diatexite)(写真4)とよび、元の層状構造が残存している状態のものをメタテクサイト(metatexite)(写真2)と呼ぶ。
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